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  1. 能代市議会 1994-03-01
    03月14日-02号


    取得元: 能代市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-19
    平成 6年  3月 定例会平成六年三月十四日(月曜日)●出席議員(二十九名)             一番    今野清孝君             二番    佐々木鉄弘君             三番    平山清彦君             四番    大和市郎君             五番    梅田味伸君             六番    袴田謙弥君             七番    畠山一男君             八番    柳谷 渉君             九番    藤原良範君             十番    今野藤悦君            十一番    中田 満君            十二番    大倉富士男君            十三番    戸松正之君            十四番    宮田廣雄君            十五番    相場洋子君            十六番    工藤勇男君            十七番    渡辺芳勝君            十八番    小林幸一郎君            十九番    矢田部 昌君           二十一番    松谷福三君           二十二番    竹内 宏君           二十三番    熊谷 健君           二十四番    塚本定雄君           二十五番    山木雄三君           二十六番    渡辺千代之助君           二十七番    斎藤正寛君           二十八番    袴田勇蔵君           二十九番    住吉新作君            三十番    宮腰 誠君    ---------------------------●欠席議員(一名)            二十番    武田正廣君    ---------------------------●説明のため出席した者           市長      宮腰洋逸君           助役      金田広実君           収入役     大塚慶治君           監査委員    西村 豊君           総務部長    桜田栄一君           生活環境部長  相沢東生君           福祉保健部長  安岡義則君           産業部長    伊勢 勇君           建設部長    武田 敏君           企画調整室長  塚本佐市君           総務部次長   工藤 靖君           生活環境部                   布川隆治君           次長           産業部次長   酒田鐡雄君           総務部                   斎藤憲身君           総務課長           総務部参事   坂本棟雄君           ガス水道局長  石井 清君           教育長     野中和郎君           教育次長    赤塚義勝君    ---------------------------●事務局職員出席者           事務局長    鈴木一真君           議事係長    石出文司君           主任      金谷寿雄君           主任      畠山一仁君           主任      吉岡康隆君           主事      亀田吉之君    ---------------------------●本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問    ---------------------------                      午前十時   開議 ○議長(大和市郎君) ただいまより能代市議会定例会継続会議を開きます。 本日の出席議員は、二十九名であります。 本日の議事日程は、日程表第二号のとおり定めました。    --------------------------- △日程第一 一般質問 ○議長(大和市郎君) 日程第一、一般質問を行います。順次質問を許します。十一番中田満君の発言を許します。十一番中田満君。          (十一番 中田満君 登壇)(拍手) ◆十一番(中田満君) おはようございます。自民クラブの中田満です。早いもので、市政に参画させていただいてから三年経過しました。あと残すところ一年。この一年を有意義に市議会議員の職を全うしたいと考えているところでございます。そのような観点から、通告に従いまして三項目にわたり一般質問をいたします。市長の誠意ある答弁を期待しまして質問に入ります。 まず最初に、五割自治下における財政運用のあり方について。この三月三日付北羽新報の一面に、能代市の平成六年度当初予算案が載っていました。「火力増収で五割自治」という見出しが目につきましたので、まずこれからお聞きしたいと思います。平成に入って初めて五割自治を実現したこと、この意義をどう理解しているのか、市長の所見をお伺いいたします。 今まで三割自治とか四割自治とか言われてきました。厳しい財政の事情下、自主財源が乏しい、そのための火力でもあったはずであります。この火力の増収分は周辺市町村をうらやましがらせている、との報道もたびたびなされてきているところであります。市民の間では、自主財源が五割を超えたということは、それなりに財政的には豊かになったと単純に期待する向きもあるのではないでしょうか。一方、投資的経費は、前年度当初比で四三・一%の減となっておりますが、予算規模に対する構成比は一七・一%であります。もちろん大型継続事業の終了という要因もありますが、市民の期待するところである「五割自治」なる自主財源比率の増大がそっくりそのままストレートに住民サービスの向上やインフラ整備に結びついていないように思えるのであります。どう見ても、今までの惰性的財政運用の延長ではないかと思えるのであります。五割自治下においては、それなりの財政運用上の思想があってしかるべきではないでしょうか。あったならばここで所見を求めたいと思います。 第三次能代市総合開発計画後期計画にはこう書かれています。「行財政の簡素効率化を進め、市民生活の向上や環境の整備など公共投資のための財源確保を図る」とあります。ここにいう財源確保という念願は、火力増収という形で一部実現したのではないですか。しかも何のための財源確保なのかということについて、ここには「市民生活の向上や環境の整備など公共投資のため」と明確に後期計画に書かれているのであります。つまり、火力増収分をここに向ける。火力のおかげで今までできなかったこれができたのだというものがないとするならば、何のための火力であったのか、何が五割自治かということを言いたかったわけであります。市長の所見を求めます。 次に、後期計画にある「長期展望にたった財政計画を確立し、健全財政の確立を図る」とされていることについてであります。さて、この計画にある「長期展望にたった財政計画」、これは確立しましたか。確立したのかどうか、今図っているのかいないのかどうか、示していただきたいと思います。また、計画というのは、実施に当たって実施計画、あるいは年次計画が必要ではないのでしょうか。必要と考えるか、必要でないのか、お答え願います。 市長はよく「第三次能代市総合開発計画の実現のため」と言いますが、何をどの年度で実現していくのか、財政計画や実施計画、年次計画も何ら示されていないと思うのでありますが、私の勘違いでありましょうか、事実関係の説明を求めます。もし、これら計画がないとすれば、行財政の惰性的運用と言われても仕方ないのではないかなと思うのでありますが、いかがでしょうか、所見を求めます。 後期計画の現状分析の中に、「経常的経費の増高により、財政の硬直化が懸念され」とあり、財政の硬直化が経常的経費、その他にあることはお互いの理解するところであると思います。さて、そこで問題点の一つは人件費であります。県内九市と比較しても、類似都市との比較においても、また市立高校の分を差し引いても、やはり高いということが一般に指摘されているわけであります。人が多過ぎるのか、給料が高過ぎるのか、には異論もあるでしょう。確かに地域の民間水準から見ると高いということになるだろうし、県内他市と比較するとそうでもないということでしょう。しかし、問題なのは高い給料でもよい、人がいっぱいいてもよい。それら職員が暇そうでなく、ちゃんと給料に見合った働きをして市民サービスが十分満たされている。市民に、なるほどと思われるような評価があれば、私は何も言うことはないのであります。もっとも中田満が一般質問でこんなことを言っているということが市の職員に伝わると、市の職員の票は一票も期待できないと思いますが、言うべきは言わなければならないと考えます。別に職員の方々がさぼっていると言っているわけではありません。一部局面だけをとらえて中田満を批判し、一票も入れないと怒るのは筋違いであると申し上げておきたいと思います。いずれにしてもこういうことを言わせる、そういう評価をさせたのは一体だれなのでしょうか。人件費水準に見合った行政サービスを市民に提供するのは市長の責務でもあると思うのでありますが、その水準に見合ったサービスが行われていると胸を張って言えるかどうか、市長の所見を求めます。また市民感覚からすれば、人口減少に合わせて行政のスリム化は当然求められてしかるべきでありましょう。よく比較対照される横手市の場合、四年度決算において人件費率一五・四%であります。能代市とは八・七ポイントの差があります。商業高校の分を差し引いても、私の計算では六・二ポイントの差があります。では、横手市は能代市よりはるかに行政サービスが劣るのかどうか、所見を求めます。能代と横手の行政サービスの差、これが人件費率の差とどこがどのように違うと理解したらよいのか、市長の所見を求めます。 次に、「まちづくり」をどう考えるかについて。さて、市長のまちづくりのアピール、すなわちふるさと創生事業の流れを見ると、第一次において「バスケの街づくり」を目指し、第二次において歴史と文化のまちづくりと移り変わってきております。第一次から第二次への移行において、なるほど百五十万円を予算に計上し、「バスケの街づくり」を継続することになっております。しかし、まちづくりのメインテーマがそんなに簡単にころころ変わっていいものでしょうか。市長は、まちづくりという言葉をどのように定義づけられておられるのでしょうか、答弁を願います。まず、スポーツ関係はやった、次に文化と歴史だという印象が強いのですが、なぜ文化と歴史なのか、その間の必然性を論理的に説明願います。まさか今流行の「腰だめの論理」でもないでしょうが、「下手な鉄砲も数撃てば当たる」というのでは無責任のそしりも免れません。「バスケの街づくり」事業において施設等のハード事業の八〇%は終了した。特に県の努力によりスポーツリゾート事業で落合にバスケットコートが四面とれ、シャワーを初め百五十人の宿泊可能な施設の完成も、平成七年一月に予定されております。基盤事業はもはや完成したも同然だ、もうそろそろ次の新しい事業を手がけるべきだという声があるやに聞きます。新総合体育館を建設し、落合に県関係のスポーツ施設ができることが「バスケの街づくり」、いや、もっと広くスポーツによるまちづくりの内容なのでありましょうか。私は「バスケの街づくり」はようやくスタートしたばかりであると認識しております。その意味において、今年度新総合体育館竣工記念事業の約一千三百万円と「バスケの街づくり」の百五十万円とは、額において逆になっておるのが当然で、またバスケ及びスポーツ振興のための人材育成及び登用とボランティアの拡大、休日中の小学校等の体育館の開放などのソフト事業がメジロ押しでなければならないと考えております。歴史と文化はもちろん大切でありますが、バスケの街づくりをアピールしたからには徹底したこだわりが必要であります。市長の答弁を求めます。 土地利用及び市街地対策についてお尋ねいたします。国土利用計画策定費に一千五百六十一万五千円を計上し、そのうち都市計画費として都市計画の交通調査費及び都市計画図の新規図面作成に一千百三十万円を予算措置しております。この点に関し、用途地域の見直しのスケジュールについて市に問い合わせたところ、平成五年度で基礎調査を終え、平成六年度で原案づくり、平成七年度で見直しとなっている。また県の段階での計画との関係で、県と歩調を合わせているとのことでした。しかし、私は歩調を合わせる必要はないと思うのであります。第一に、都市計画は行政の計画という認識は時代おくれであり、都市計画こそ、そこに住む市民の生活に深くかかわりあう市民の企画であるということ。第二に、よって当然都市計画には市民の考え、要望も十分に組み込まれるべきであるということ。第三に、行政という自治体と、市民という住民の意見交換と、そのシステムの確立が必要であるということ。この三つの点から、都市計画策定の時間はあればあるほどよい。したがって、県に歩調を合わせることはないのであります。県の依頼書の中にも、公聴会の開催等住民の意向を十分反映させることという一項があります。都市計画の新規図面作成スケジュールのどの段階で住民の意見をどのように聞き、どのように計画に反映させていく所存なのか。あわせて今まで行われた都市計画を総括して、市長はどのような評価をしているのかお尋ねします。特に、市長自身が手がけた柳町の土地区画整理事業について、現時点でどのように評価していますか。さて、都市計画は一つ一つの事業が単にその地区の住民の利益のみならず、広く市全体、市民全体の利益にかかわってくることに重要な意義があることは論をまちません。そこでお尋ねします。個々の都市計画がよってたち、市全体、市民全体の利益が帰結するところの市長が目指す能代市の将来のビジョンとは何でしょうか、所見をお伺いいたします。 次に、老人保健福祉計画のあり方について。新規事業である在宅寝たきり老人等おむつ給付事業四百八十一万六千円についてお伺いいたします。きょうの北羽新報におむつ給付(金券で)ということで記事が出てましたけれども、通告いたしましたのでこのとおり質問させていただきます。在宅寝たきり老人等の経済的軽減のため、おむつ使用者に対し一カ月五千円のおむつ購入費を助成する、となっています。これをやるなとは言いません。考え方を問いたいのであります。なぜ物質的な物に対して、しかも特定品目であるおむつなのか、もっと優先してやるべきことがあるのではないのか。高齢者福祉の充実を考えるならば、これは枝葉の部分ではないのかと思うのであります。そもそも具体的にどういう手続きでやるんですか。領収書とか何かを家族に持ってこさせて、職員があれが足りないとか、書き方が違っているとか、机に座って書類を眺めて、後日五千円を振り込むのでしょうか。枝葉と言えば言葉は悪いかもしれませんが、もっと幹に相当する部分をやらなければならないのではありませんか。能代市老人保健福祉計画にアンケートが載っています。その中でこんな項目があります。「介護のことで困ったときの相談先」、この中で、家族、親族の五〇%は当然としても、市の保健福祉窓口など四・九%、在宅介護支援センター〇%、これについては最近利用され出しているとの報道もありますが、これらは何をあらわしているのか。市では頼りにならないということではないですか。つまり市のやっている高齢者対策が空回りしているということになりませんか。この計画にはこう書かれています。「現在の相談室をさらに充実強化するとともに総合的な保健福祉窓口の設置を検討する」とあります。「さらに」ということは、今も充実していると言っているわけでしょう。本当にそうなのですか。所見を求めます。私は、今、我が市の場合高齢者対策にとって必要なことは、まず市の福祉関係部局が市民に信頼されていなければならない。何かあったら、まず市の窓口に相談しようと、市民が考えるようなそういう窓口にならなければならない。そのためには勉強し、ノウハウの蓄積を図り、そのために予算を使うといった姿勢でなければならないのではないですか、所見を求めます。能代市老人保健福祉計画、きめ細かくできるように一見感じられますが、ところで、これをどの年度で、どの規模で実現していくのですか。また、金額で総額幾らになるのか示していただきたいと思います。 高齢者福祉対策への敬老金給付についてお尋ねします。市は、数え年八十歳以上の方、一人に一律五千円を支給するとして、千二百五十万円余りを計上しておりますが、今後求められる高齢者対策とは何かを考えるとき違和感を覚え、知り合いの老人数人の方にお聞きしました。その結果わかったことは、「必要とする人には足りず、その他の人たちには印象に残らないお金」ということでした。限りある予算、効率的予算配分を望んでいる市長に、ぜひとも、一部の声でありますが、この結果、「必要としている人には不足、その他の人たちには印象に残らないお金」を次年度の予算作成に生かしてほしいと思います。さて、読売新聞に次のような記事が掲載されていましたので御紹介します。新潟県上越市の宮越市長は、ちなみに宮越の「越」は上越市の「越」という字です。平成六年一月議会で、「金配りは最低の行政手段だ。行政が金を配るのは税金の還付だけ」として、七十五歳以上の老人を対象にした敬老祝金を廃止する方針を明らかにした。そして、この廃止によって浮く財源は老人福祉の財源のまま知恵を出したいと言明した。ちなみにこの上越市の宮越市長は、大蔵省主計局主査から政界に転じた人であります。これらの点について市長の答弁を求めます。 以上三項目につきまして、よろしく答弁お願いしたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。          (市長 宮腰洋逸君 登壇) ◎市長(宮腰洋逸君) おはようございます。中田議員の御質問にお答えいたします。まず最初に、五割自治下における財政運用のあり方についてでありますが、一般的に財政運営の自主性を発揮するためには自主財源の割合が多いほど望ましいとされております。健全な財政運営を図るため自主財源の確保については、課税客体の把握の強化、徴収率の向上、滞納整理の促進等による税収の確保、適正な運用、見直し等による使用料、手数料の確保、効率的な財政運用などにより、これまでも努力をしてまいったところであります。一般的に何割自治かという場合は、収入総体に占める市税のことであり、当市では四年度では二九・七%、五年度は二七・五%、六年度予算においては、能代火力発電所にかかわる税収の増があり三九・二%となり、今までは三割自治であったが、六年度にようやく四割自治となったもので、平成六年度における予算で自主財源比率として市税に繰入金等を加えたものは五一・二%と五割を超えたことは、自主的な財政運営を進めていく上で大変喜ばしいことと受けとめております。今後とも火力の税収のみに依存することなく自主財源を確保できるように引き続き努力してまいりたいと考えております。 平成六年度の予算編成に当たっては四つの重点項目として、一つ目は、生活に密着した社会資本の整備を図るため、道路、排水施設、上下水道及び衛生施設の整備を進める、二つ目は、あすを担う子供たちが、明るく学習できるよう教育環境の整備を図る、三つ目は、高齢化社会に対応した地域福祉の充実、生きがい対策の推進を図る、四つ目は、既存産業の育成と新しい産業の誘導を図り、人口の定住化を進めることを掲げ、特に第五小学校の建設については短期間で建設することと、崇徳小学校についても既定どおり建設を進めることにいたしました。また道路、橋梁など公共事業にも積極的に取り組み、地元企業への経済波及を配慮するなど、当面する重要施策を推進することと、民生の安定化と文化の向上等にも広く意を注ぎ、予算の額は小さくとも市民の福祉の増進につながる事業はできるだけ多く組み入れ、限られた財源の重点配分を行いました。この中で投資的経費、特に普通建設事業が前年度当初比四三・一%の減となっておりますが、これは中田議員も認識されておられるように、依存財源が大きかった総合体育館建設事業廃棄物処理施設整備事業土地区画整理事業等の大型事業の終了によるものであります。しかし事業の総額は減少したものの、それに充てる一般財源は十二億二百万円から十三億四千万円と一一・四%伸ばしており、積極的な事業推進を図っております。自主財源がふえたことにより国、県の制度にはないきめ細かな施策の展開が可能となってきており、当初予算においては生活道路の舗装改良、排水施設の整備や在宅寝たきり老人等おむつ給付、在宅寝たきり老人歯科訪問健診、白内障特殊眼鏡代等助成など、高齢者福祉の推進などを取り上げており、住民サービスの向上、生活に密着した社会資本の整備に結びつけていると考えます。今後とも市民が健康で安全で安心して暮らせるよう、生活に密着した施策の実現に意を砕いてまいりたいと思います。 平成六年度予算の編成は、国の予算編成のおくれから地方財政計画の発表がない中で、また国の税収不足から交付税の見通しが立たない中で編成作業を進めなければならず、厳しいものがありましたが、第五小学校、崇徳小学校の二校同時着工ができるのも、火力の増収を含めて一般財源を確保したこと、また住民要望の多い道路整備、橋梁、排水施設整備など生活関連事業老人福祉計画に盛り込まれた事業の実施も可能となり、このように確実に火力の増収は市民生活の向上、環境の整備に結びついております。特に火力増収の効果は、今後とも広く市民に行き渡るよう予算編成の中で配慮してまいりたいと考えております。 当然御承知のことと思いますが、第三次能代市総合開発計画の構成は、基本構想、基本計画、実施計画からなっております。基本計画は現在後期計画を推進中であり、平成三年度から平成七年度までの事業を整備計画、事業計画に掲げております。実施計画は、基本計画に掲げた施策、事業について、予算編成並びに行財政の総合的運営に資するため、毎年度向こう三カ年のローリング方式で作成することとしております。これら基本計画、実施計画に基づき予算を編成しており、いささかも行財政の惰性的運用はしておりません。 次に、人件費比率についてでありますが、人件費には職員、三役等の特別職の給料や各種手当及び議員や各種委員等の報酬のほか、共済費、退職手当組合の負担金、退職年金等が含まれており、普通会計に占める比率は能代商業高校の人件費を除くと二二・五%となり、県内各市の平均二一%を一・五%ほど上回っております。横手市を除けば各市ともそんなに差異はなく、それぞれの行政施設の規模や設置数等、行政水準の差や、また投資的事業費増の割合などで比率は変わってまいります。行政サービスにかかわる職員数は、自治省の定員モデル指数の試算では一般行政職において五名の減であり、また類似都市の平均職員数との比較でも十八名も少ない状況となっております。次に、給与水準ですが、ラスパイレス指数は九四・八であり、全国各市の平均一〇六・三や、町村平均九六・五よりも低く、全国ランクでは六百五十市中九十五未満以下の二十三市に含まれております。したがって、人件費比率を引き上げている要因には職員数及び職員給与の影響は及ぼしておらないと認識しております。 横手市との行政サービスの差はどう違うかとのことでありますが、何を基準にして行政サービスを比較するのかは単純に職員数や給料、その他経費のみでは比較にならないし、行政施策やサービスに対する市民の満足度など容易には判断しかねると思っております。また今、時代の変革とともに行政サービスのあり方が問われております。民間企業では御承知のように収益を上げるのが目的であり、結果が数字で評価されるわけでありますが、行政効果の測定はそのように単純にはまいりません。行政サービスの提供は環境が変わり、経済状態に変化があっても、基本的にはさまざまな観点から地域に住んでいる人たちの豊かさを追求していくことであり、少しでもいい生活ができるよう質の向上を図ることが行政に与えられた重要な課題と思っております。こうした対応には常に市民ニーズの把握が大切なことから、市長への手紙、市長と市民が語る会等広聴活動のほか、毎年市民アンケートを実施し、行政施策の反映に努めておるところであります。また行政サービスの提供に当たり、職員一人ひとりの対応が問われておるわけでありますが、市民から信頼され、期待される人材の養成は重要であると考え、職員研修等で資質の向上に努めておるところであります。また、行政のスリム化につきましては、御承知のように新行政改革を平成四年度から「信頼と心配りのある行政サービスの展開」や「効率的な市政の推進」を基本方針に掲げ、全庁が一体となり取り組んでおるところであります。今後も市民ニーズを的確に把握しながら適切な運営によって行政サービスの向上に努め、活力ある地域社会の実現に努めてまいりますので御承知いただきたいと思います。 次に、まちづくりをどう考えるかについて、最初のバスケの街づくりについてでありますが、ふるさと創生事業と街づくりについてでございますが、御承知のように、ふるさと創生事業は、地域における自主的・主体的な地域づくりを推進し、誇りと愛着の持てるふるさとの構築と、豊かさとゆとりを実感できる地域社会の実現を目指すものであります。第一次ふるさとづくり事業においては多くの提言、提案の中から、本市を全国的にアピールする地域づくりとしてバスケの街づくり事業に取り組んでおりますが、その成果は着実に上がっており、「バスケの街のしろ」として全国的にも誇れる個性的なまちづくりが推進されております。このバスケの街づくり事業は今後も引き続き取り組んでまいることとしており、これまでも申し上げてきたところであります。第二次ふるさとづくり事業につきましては、第一次ふるさとづくり事業と同様、ふるさとに新たな個性や価値観を創出するためふるさとの歴史や文化に目を向けた事業として大方の御意見を参照して、歴史と文化の香りづくり事業を展開してまいることとしております。こうしたバスケの街づくりや歴史と文化の香りづくりなど、ふるさとに新たな個性や価値観を創出し、まちのイメージアップを図る自主的・主体的な事業がさまざまな視点から展開され、積み重なっていくことが、誇りと愛着の持てるふるさとの構築と豊かさを実感できる真の地域社会、そして全国にアピールできる地域社会の実現につながるものであり、まちづくりであると考えております。 次に、バスケの街づくりの取り組みとスポーツ振興について申し上げます。平成元年度からこれまで、だれでもバスケットボールに親しめる環境づくりの一環として子ども館前広場を初め、市内の児童公園、小中学校など三十四カ所にバスケットリングを四十九基設置しております。また幼児用リング十二基、移動式バスケットボールリング四基を購入しております。バスケットボール普及事業としては指導者、審判員の養成、ミニバスケット交流大会、能代カップ全国高校選抜バスケットボール大会などを実施、五年度においては総合体育館の竣工記念事業としてミニバスケットボールを初め、中学校、高校、実業団、車いすによるバスケットボール大会を開催し、市内外にPRに努めております。また新たに「ノシロラウンドアップ3オン3バスケットボール」、銀河連邦サミット協賛事業として小・中・高校生による3オン3バスケットボール、「第一回東北電力旗能代山本中学校バスケットボール大会」、小・中学生、指導者を対象に、正しい技術、ルールの普及をねらいとした「バスケットボール・イン能代」を実施するなど、市バスケットボール協会を初め、民間と行政がタイアップしながら、確実に事業の進展を図ってきたところであります。この間において能代商業バスケットボール部の復活を初め、当初三十名で発足し、現在六十名の団員を数える能代ミニバスケットボールスポーツ少年団が初の全県大会出場や東北大会三位に入賞するなどその活躍は目覚ましく、さらにこの一月には、全県大会準優勝により東北大会出場権を獲得するなど底辺拡大も順調に進んできております。一昨年畠町通りで開催されたストリートバスケットボールは大変好評を得ておりましたが、五年度につきましては、警察から道路使用の許可が得られず中止せざるを得ませんでしたので、この三月二十日に総合体育館において「能代3オン3バスケットボール大会」を開催することとし、六年度につきましては、ぜひストリートバスケットボールを開催すべく関係者と協議を進めることにいたしております。この五年間の事業費は一般財源も含め約二千八百七十万円であり、六年度につきましても、第七回能代カップ高校選抜バスケットボール大会を初め、事業費として一般財源五百万円を計上いたしており、これまでの経過を踏まえながらなお一層の推進を目指して引き続き事業を実施してまいります。スポーツ振興は、昨年十月十七日に供用開始いたしました総合体育館を中心に、各体育施設では市民の生涯スポーツの推進はもとより、体操、バスケットボール、バレーボール、剣道、柔道、空手、卓球、バドミントン、ソフトテニスなど各種スポーツ大会やイベントを、市体育協会、スポーツ少年団、学校体育連盟、高校体育連盟などと連携のもとに実施しており、底辺拡大や人材育成などに効果が見られてきております。市体育指導員などによるボランティア活動の輪も関係各位の大変な御協力をいただいて着実に広がりを見せてきております。本市のスポーツ振興を図る上で、第七回能代カップ高校選抜バスケットボール大会、東北高校空手道選手権大会、同バドミントン大会、東北電力旗ミニバスケットボール秋田県大会、全日本男子バレーボール東西大会能代大会、新体操ワコールカップ能代国際演技会の開催など、スポーツ振興に弾みをつけるとともに活性化に結びつくものと思っております。 学校開放につきましては、現在、第一小学校、第二小学校、第三小学、校向能代小学校の四校の体育館を、学校教育に支障のない範囲で夜七時から九時まで開放し、バスケットボール、バレーボール、剣道など利用していただいておりますが、休日については総合体育館、市民体育館、B&G海洋センターなどの施設を利用していただくことといたしまして、平成七年春に、能代山本スポーツリゾートセンターがオープンいたしますと各施設の連携により、ますます利活用の促進が図られるものと考えております。「バスケの街のしろ」としてバスケットボールを中心にあらゆるスポーツの振興を目指して、全国的にも誇れるまちづくりに努めてまいりたいと考えております。 次に、都市計画のあり方についてでありますが、市では用途地域の見直しを、平成五年度で基礎調査を終え、国土利用計画、農業振興地域整備計画等との調整を図りながら六年度で原案を作成し、七年度で完成する計画で作業を進めているところであります。これは都市計画法及び建築基準法の一部改正により、見直しの完了期限が平成八年六月二十四日であることと、県が期限前に全県の市町村案を取りまとめて国土庁、農林水産省、建設省等と協議しなければならないという理由からであります。また、住民の意向をどのように反映させるかという点についてでありますが、県が指導しているように原案作成後に説明会等で十分住民の意見を聞いた上で修整できるところは修整し、都市計画審議会に諮問した後、二週間の縦覧に供して県に申請書を提出いたします。さらに県では、都市計画地方審議会の議を経て承認されるものでありますので、住民の意向は十分反映されるものと考えております。なお、新規図面の作成費は、用途地域の拡大部分の図化をするための費用で、用途地域見直しのスケジュールとは直接関係ありませんので御理解を願います。 次に、今まで行われた都市計画事業の評価についてでありますが、本市の都市計画事業は都市計画の基本理念に基づき、交通体系の拡充、新市街地における良好な宅地供給、スプロール化対策、既成市街地における都市機能の更新、居住環境の改善、さらに近年、国民の身近な生活環境の向上、情報化社会の進展への対応を図ってまいりました。柳町地区土地区画整理事業についても、各種公共施設の整備改善と商店街の近代化、将来の都市生活に十分対応でき得るための都市基盤が確保されるとともに、良好な居住環境と高度な土地利用による均衡ある市街地の発展が期待できるものと評価をしております。 最後の質問についてでありますが、来るべき二十一世紀を展望しつつ、市民生活の充実向上のため、「緑豊かな活力ある定住都市」の創造を基本理念にまちづくりを推進しているところであり、都市計画の基本である住みよいまちづくりを進めるため、生活環境の保全と都市機能の充実、快適な都市活動を確保するため、市街地整備や土地区画整理事業を実施しているほか、道路、公園、住宅、上下水道の整備など重点的に都市基盤整備に努めてきております。本市全体のまちづくりとしては、「この地域の中でさまざまな状況にある方々がそれぞれの存在感を持って、健康で、安全で、安心して暮らしていけるまちづくり」を基本に推進してまいる所存であります。 三つ目の老人保健福祉計画のあり方についてでありますが、おむつ給付事業については、在宅寝たきり老人を介護している方の身体的、精神的、経済的負担は大変なものがあり、家族の負担軽減のためおむつ購入の助成をすることにいたしました。手続は、家族や民生委員の方の申請により助成券方式で、市内の販売店から実績により請求してもらう方法をと考えております。保健福祉計画に盛り込んだ事業はどれが優先ということではなく、どの事業もぜひ実現させたいものと思っております。しかし、事業の中には行政のみの対応でできないものも多くあり、まず実現可能なものから着実に一つ一つ実施してまいりたいと考えております。保健福祉の窓口につきましては、平成五年度からオープンカウンターにするとともに相談室も増設しております。また六十歳以上の方に、「おとしよりの手引」の配布もいたしました。特に、「おとしよりの手引」配布以降、窓口相談が多くなっており、今後もいろいろな形で福祉施策の広報に努めてまいります。在宅介護支援センターについては、アンケートを実施した時点ではオープンしたばかりのころで十分周知がなされていないこともあって、困ったときの相談先に取り上げられておりませんでしたが、その後、事業内容、活動内容が周知されるに従ってその利用も多くなり、平成五年度では、四月から二月末までで二百二十一件の相談が寄せられております。老人保健福祉計画の中では継続事業の充実と新規事業とがあり、第三次能代市総合開発計画実施計画及び今後策定される第四次総合開発計画の中に盛り込みながら計画的に取り上げてまいりたいと考えております。事業費は現時点の推計で新規総事業費約十七億一千万円、うち補助金等が十一億六千万円、一般財源が五億五千万円となる見込みであります。 次に、敬老金給付事業についてでありますが、敬老金は市制施行三十周年を記念して、昭和四十五年から毎年十月一日に数え年八十歳以上の方に一律三千円、その後五千円に改正し支給しており、六年度は二千五百人を対象に一千二百五十万円を予算計上しております。また平成五年度は二千四百七十五人の方が受給しており、受け取りを拒否された方は一人となっております。こうした実情から勘案しまして、本市のお年寄りにとっては大方の皆さんがこの日を楽しみになさっており、当面は継続していく方針であります。上越市では、現金支給は本来の福祉施策にそぐわないという方針で廃止したそうでありますが、上越市のことは上越市のことであり、当市は当市の考えでまいります。 ○議長(大和市郎君) 次に、二十一番松谷福三君の発言を許します。二十一番松谷福三君。          (二十一番 松谷福三君 登壇)(拍手) ◆二十一番(松谷福三君) 相変わらずの厳しい財政状況の中、その運営に苦心されておられる当局に敬意を表します。特にも景気上昇の兆しが見られないまま、さらには冷害による農作物の不作による追い打ちなどで、新年度税収の予算編成に与える影響は非常に大きいものがあると思われます。また、政府連立与党の政策的不統一が原因で国の予算編成がおくれたことは、市当局にその責任がないだけに、その御労苦をお察し申し上げます。また、市長におかれましては、市民の多種多様なニーズを的確に把握し、増大多様化する行政需要にきめ細かに対応されながらも、重点施策は重点施策として市民一人ひとりが豊かさとゆとりが実感できる社会の実現のため、大胆かつ適切な配慮のもとに予算編成に当たられたことに対し敬意を表しますとともに、市民を代表して厚く御礼申し上げます。 さて、御存じのように新年度予算はその歳入において大きな変化がございました。能代火力の運転開始による固定資産税の大幅な増加と、それに伴う普通交付税の減額です。昨年の九月議会の私の一般質問に対する御答弁にありましたが、火力の運開に伴う分と能代工業団地にかかわる税収は約十八億六千万円ということです。だとすると、実質増はその七五%、差し引きということで約四億六千五百万円ほどになります。これはそのまま経常一般財源の増分でもあります。ところで、この経常一般財源を当初予算レベルでその推移を調べてみました。全く個人的な試算ですが、大きな違いはないものと思います。もし、大幅に違っていたら御指摘願います。平成四年度は約百一億六千三百万円前後、平成五年度は約百七億五千七百万円前後、平成六年度は百十五億八千七百万円前後ぐらいだと思われます。当初予算レベルでの試算ですが、正確に把握できないのは、使用料、財産収入、諸収入といった比較的金額の少ない款項ですので、その誤差は前後最大一千万円程度と思っております。この経常一般財源の伸びを計算してみますと、平成五年度当初では五億九千四百万円、新年度当初では八億三千万円の伸びとなっております。新年度当初における経常一般財源は、その財政的環境、さらには減税分を勘案していないということですので、もっと伸び率が高くなるものと思っておったところです。また、市債について、経常一般財源の伸び率に比較して市債の伸びが少ないように思います。平成五年度は廃棄物処理施設整備事業債として十億余りの起債があったことは特殊事情として理解いたしておりますが、それにしても二年前の平成四年度でさえ八億三千三百九十万円、新年度当初ではそれより一億三千二百万円少ない七億百十万円となっております。いかにも一般財源がもったいないといった感じがいたします。少なくとも地方交付税制度で言う独自の財源としての火力と工業団地の純増分、約四億六千五百万円が見込まれる状況があってもこうならざるを得ないのでしょうか。確かに起債の限度額、あるいは俗に言う、超過負担にかかわることなどもあるかとは思いますが、経常一般財源が伸びている割にはその予算規模が小さいように思います。 さて、地方財政対策の概要が明らかになっております。それによりますと、地方交付税は交付税特別会計からの借り入れ等により、辛くもその伸びを確保したようです。予想どおり、特定目的分の地域福祉基金の積み増しは見送りとなりました。このたびの地方財政対策の特徴的なものは地方債に見られます。その策定方針として「住民税の減税に伴う減収及び地方財源の不足等に対処するための措置を講ずるとともに、地方財政の健全性の確保に留意しつつ、地方単独事業の積極的推進を図り、景気に十分配慮するほか、云々、このために必要な地方債資金の確保を図ることを基本として策定している」となっており、普通会計分としては通常分、特別分合わせて六六・九%の伸び率で、総額で十兆三千九百十五億円、四兆一千六百六十一億円の増となっております。また、義務教育施設整備事業債の充当率の引き上げ、小中学校新増築の補助単価の見直し等もございます。このような環境を考えますと、能代市の新年度予算は今後の補正において大きくその姿を変えていくことが予想されますし、地方財政対策の方針からすれば、一般財源そのものが地方債に振りかわり、その分としての新規政策、あるいは当初政策の大型補正ができるものと私は見ております。国の予算編成のおくれによって、こういった当初予算編成にならざるを得なかったのかもしれませんが、平成六年度当初予算は、予算そのものの中に留保財源、あるいは財政調整機能をあわせ持っているような感じさえしております。 以上さまざま申し上げましたが、予算規模の問題、経常一般財源と市債、その伸び率等、そして、その大きな背景である国の地方財政対策等に触れながら、平成六年度の財政運営の方針を一般財源を基本に置きながら御説明願います。また、今後の政策と留保財源についてもあわせてお願いいたします。 次に、第五小学校建設事業についてお伺いいたします。この質問の要旨は単純明快で、火災に遭った第五小学校を単年度で完成できないかどうかの財政的検討であります。先ほどの地方財政対策における地方債の増発等による一般財源の減額、小中学校新増築の補助単価引き上げ等による一般財源の減額はとりあえず考慮せずに論じてみたいと思います。その第一は、財政調整基金と減債基金の取り崩し、あるいは債務負担行為との組み合わせであります。五小の継続費の平成七年度分の一般財源は六億三千七百三十八万円です。そして財政調整基金と減債基金の当初予算残高は合計で七億六千二百六十六万円ですので、数字の上では可能です。取り崩し後の財政調整基金等の残高が一億二千五百二十八万円となりますが、少な過ぎると思われるならば、その分の一般財源を債務負担する方法もあると思うのです。その第二は、崇徳小学校関係者には大変失礼かとは思いますが、崇徳小の継続費の六年度と七年度を入れかえてみます。つまり六年度に体育館、七年度に校舎といった継続費の設定をしてみたらどうなるかといった検討ですが、この場合、五小の一般財源不足額は崇徳小の体育館設計業務費を六年度に行うものとして約三億二千万円ほどとなり、財政調整基金で十分対応できる額となります。いずれも地財対策、補助単価の引き上げ等は計算に入れておりませんので、現実に負担すべき一般財源はもっと少額になるだろうことは予想されるところです。以上申し上げましたが、第五小学校の単年度完成は財政レベルで不可能なものなのでしょうか、お尋ねいたします。 ところで、簡単に財調を大幅に取り崩したり、多額の債務負担行為をすることは不健全財政につながると言われる方がおられるかもしれません。しかしこういった緊急事態にこそ、それも未来ある子供たちにかかわることですのでなおさらのこと、その財政運営における行政の真価が今こそ問われているものと思うのです。しかも国の地財対策もあります。補助単価の引き上げ等もあります。やり方次第では、債務負担どころか財調も大きく取り崩す必要がないかもしれません。決して不可能なことではないと思います。もし単年度完成を断念せざるを得ないとするならば、同じ継続費であっても平成七年度の早い時期、できるならば実質的には単年度と同様な効果を持つ平成七年四月十日ごろまでには完成させてほしいものと、御要望申し上げておきます。こういったときにこそ、能代市の行財政当局の本当の力量とホットな思いやりの部分を市民の皆様に具体的に見せていただきたいと思うのです。 能代市の財政面における展望は、少しばかりではありますが好転の兆しが見えてきました。少なくとも地方交付税に依存する比率が下がってきたということは、それだけ経常一般財源、というより自主財源が多くなったということにほかなりません。これは火力発電所の誘致に全力を注いでくれた元県議会議長を初めとする先輩の皆さん、さらには協力を惜しまなかった能代市民全員の力と思っております。特に、現宮腰市長には火力運開までの非常に困難な時期に市政を担当され、その実現に当たられたことに対し、そしてまた雇用の場創出のためにも工業団地への企業の政策的積極誘致を全力で進められたことに対しまして心から敬意を表します。もともと財政の好転は、経常的収入の増加と経常的経費の減少にありますが、せっかく苦労して得た経常的収入も経常経費の増加率がそれを上回ることになれば、政策展開は制限されることになります。将来は福祉の時代と言われており、地方の負担は増加する一方です。特に一般財源確保の多少によっては、他自治体との格差が単独事業において拡大するものと思います。この経常経費の削減について、私は機会あるごとに言い続けてまいったわけですが、具体的にはなかなか難しい問題があることは確かです。市長もそれなりに頑張っておられることは理解いたしております。しかしながら能代市の将来的財政展望を考えると、どうしても経常経費の削減に言及せざるを得なくなるのです。経常的収入面でこれほど頑張ってきたのですから、こういった機会にこそ長期的展望に立った経常経費削減計画を打ち出すべきものと思います。このことについて市長はいかがお考えでしょうか。さらに長期的歳入見通しと経常収支比率の今後の予測についてもあわせてお願いいたします。 奨学金制度の見直しについてお伺いいたします。人づくりのための教育環境の整備の一環として、新年度も奨学基金の充実が図られました。私はこういった計画的にしかも着実に推進される政策を大きく評価します。今は少ないかもしれませんが、将来は確実にその効果を発揮してくれるからです。さて、能代市に奨学金制度が発足してからどれぐらいの年月が経過したのでしょうか。私の年代当時の高校進学率が幾らだったかは覚えておりませんが、「集団就職」とか、「就職列車」とかいう言葉をいまだに記憶しております。そして現在の高校進学率は言うに及ばず大学進学率も非常に高いものとなっておりますし、専門技術習得のため専門学校へ進学する学生、また能力によっては大学を卒業後、大学院修士課程または博士課程に挑戦する学生も多数見られるようになりました。このような状況にあって奨学金制度は時代に即応したものが求められているのではないでしょうか。現実に「能代市の奨学金制度は専門学校生、大学院生は適用になりますか」との問い合わせが来ております。私のこの一般質問のきっかけも実はこの事実からなのです。ところで能代市の奨学金制度は御存知のように専門学校、大学院とも適用にはなっておりません。確かに少人数でしょうが、その需要がないわけではないのです。高校入学から大学院博士課程卒業までは十二年間の長きにわたります。この辺に少々問題点がありそうな気がしますが、何とかクリアして苦労を重ねながら勉学に励む専門学校生、大学院生ともに救済すべく能代市の奨学金制度を見直していただけないものでしょうか。また、県の育英会では、若者の定着促進を図るため、ある一定期間地元に定住する者に対し、奨学金の返済免除等が政策的に検討されていると聞いております。能代市の奨学金制度にも新たにそういった措置ができないものかどうかについてもあわせてお尋ねいたします。 最後に、能代市総合福祉計画の策定をお願いすべくお伺いいたします。このたび老人保健福祉計画が策定され、高齢者福祉が新年度から計画的に実施されることはまことに喜ばしい限りです。市長の「幸せでふれあいのある福祉環境の整備」も老人福祉総合エリアの整備充実にも見られますように、その成果が着々とあらわれているように思います。さらに、障害者福祉においては、現在のねむの木学園の精神薄弱者通所更生施設への改造と、その運営主体となる社会福祉法人「(仮称)能代ふくし会」設立のための全面的支援体制により、その充実強化が図られました。このようにさまざまな分野で福祉政策の推進がなされておりますが、かなり政策的にオーバーラップする部分が出てまいります。例えば、ヘルパー派遣、入浴サービス、在宅相談など、特に老人保健福祉計画案を読んでみますと、障害者福祉等と有機的につながる部分がかなりあるように思います。御存じのように能代は地域的に県の障害者福祉施設がありません。必然的に市なり法人が対応することになりますが、現状では非常に厳しいものがあります。今回の精神薄弱者更生施設の設置の過程で、就学前児童についてかわいそうな部分もあったことで市長も心を痛めていると聞いております。小さいことなのかもしれませんが、こういった事実を解消するためにも、複雑多岐にわたる福祉政策の複合的部分を有機的に結びつけ、体系的、そして総合的な福祉計画の策定を望むものであります。 このたびの能代市老人保健福祉計画は国のゴールドプラン、つまり高齢者保健福祉推進十カ年戦略に基づいて立案されたものですので、確かに単独事業分もありますが、ある程度の財政的裏づけは予想されるものと思います。ただ、その他の福祉政策に関しては将来的裏づけはないのですが、現在の法律なり補助基準等の枠内での計画ということになりますが、能代市老人保健福祉計画をその根幹に据えながら策定されたらいかがでしょうか。策定のための財源としては地域福祉基金の活用もあると思います。能代市総合福祉計画の新規策定についていかがお考えでしょうか、市長の御所見をお伺いいたします。 以上をもって私の一般質問を終わらせていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。          (市長 宮腰洋逸君 登壇) ◎市長(宮腰洋逸君) 松谷議員の御質問にお答えをいたします。最初に、平成六年度の財政ということで、最初の財政運営についてでありますが、平成六年度の予算規模は百八十億二千五百万円で、五年度当初予算比十二億八千百四十万円の減、率にして六・六%のマイナスとなっております。これは廃棄物処理施設整備事業や依存財源の大きかった総合体育館建設事業といった大型事業が終了したことにより、予算規模が縮小したものであります。予算規模はそのときどきの取り上げる事業で違いますので一概にその大小を論じることはいかがかとも思いますが、市債についても同様に取り上げる事業によって違いますし、四年度当初予算と比較されておりますが、このときは市債の中に全額国庫補助金で補てんされる二億七千六百万円のNTT債を含んでおりますので、これを差し引きしますと五億五千七百九十万円の市債となっております。経常一般財源は五年度当初と比較しますと七・七%の伸びとなっており、このことと第三次能代市総合開発計画の基本理念である「緑豊かな活力ある定住都市」づくりを達成するための四つの重点項目を念頭に置き予算編成に当たりました。御承知のように国の地方財政対策は二月上旬にようやくその概要が報道されましたが、その詳細については現時点では不透明な部分もありますが、予算編成に当たっては、わかる範囲で財源確保に当たりました。内容がわかり次第、今後の減税及びその減税補てん債も含めて今後の補正予算等で対応してまいりたいと思っております。 今後の政策ということでありますが、米代川流域地方拠点都市地域基金設置費、重要電源等立地推進対策事業、また今回提案しております中小企業福利厚生施設整備促進条例に基づく申し込みや、地域総合整備資金貸付要綱に基づく申し込みが見込まれます。財源については、当初予算へ計上された事務、事業の変更及び新規事業へ対処するため、現時点では財政調整基金の一般分約二億三千五百万円があります。 次に、第五小学校の建設事業についてでありますが、第一点の御質問で、財政調整基金や減債基金の取り崩しで一般財源は確保できるのではないかとの御意見でありますが、六年度財政調整基金の一般分残高が前段でも申し上げましたが約二億三千五百万円、これと減債基金残高約二億二百万円を加えましても現在は約四億三千七百万円にしかなりません。その上平成七年度の崇徳及び五小の継続事業の財源にも支障を来すことと、さらに設計期間と補助手続、認可、入札期間、工期等についても再三にわたり検討いたしました。また、地元の意向等も考えますと、崇徳小学校の入れかえは無理と考えます。第二点の御質問ですが、数字の上ではおっしゃるとおり可能でありますが、当初予算編成後でもあり、今後の財政運用上のことも考慮に入れる必要がありますし、さらには景気不透明な中で市税の伸び悩み、八月下旬までに決定される地方交付税の状況なども不確定要素でありますし、両基金の取り崩しについては慎重にせざるを得ないものと考えております。なお、事業の執行を速やかに行うために継続費を設定したものでありますので、でき得る限り早期に完成できるよう手だてを工夫し事業を進める所存であります。 次に、長期的財政運営についてでございますが、松谷議員のおっしゃるとおり、「入るを計って出るを制す」のことわざどおり、経常経費の削減は重要で、私としても常々経費の削減については指示してきたつもりでございますが、一方、行政水準の低下にならないようにも努めていかなければなりません。しかしながら個々に見ますと人件費については、定員管理計画に基づき退職者の補充抑制を図っており、物件費については、類似団体よりは低い水準にあります。公債費については、過去の普通建設事業等の借り入れに対する償還金であり、補助費等の大半を占める一部事務組合への負担金は、週四十時間体制に伴う定員増及び義務的経費の増高もあり、その削減は御理解いただいているとおり容易ではありません。また、住民の福祉向上のための扶助費や快適で健康な暮らしのための国民健康保険特別会計等に対する繰出金等に加え、市民要望に基づく子ども館、市民プール、図書館、文化会館、総合体育館、広域交流センター等の施設建設に伴う管理運営費の増大などがあり、経常経費の削減には非常に苦慮しておるところであります。長期的歳入見通しについては、毎年度向こう三カ年のローリング方式で作成する実施計画の時点で一般財源の見込みを立てているところでありますが、現在の地方財政は国の施策や景気動向によって大きく左右されるため、重点的な事業の選定に主眼を置くこととなります。したがって、御質問のように長期的な歳入見通しを立てることは極めて難しい現状であります。また、経常収支比率の予測については、平成六年度当初では八七・七%、七年度見込みでは八八・六%、ここ数年は八〇%台後半で推移するものと考えております。 奨学金の見直しについては教育長より答弁いたさせます。 四つ目の能代市総合福祉計画の策定ということでございますが、当市でも障害者の高齢化や多様化、高度化する障害者ニーズに対応するため制度上の事業に加えて、市単独の事業としても聴覚障害者のためのファクシミリの基本料金の助成、入浴サービス、声の広報、車いすの貸し出し等積極的に実施しているところでありますが、今後とも公的施策の一層の充実と助成等を進めていくことは重要と考えております。このたび国においては心身障害者対策基本法の一部を改正する法律が平成五年十二月三日公布され、心身障害者対策基本法が障害者基本法に改められました。今回の改正は、障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るために行われたものであります。改正の条文中に、「政府は、障害者の福祉等に関する施策の総合的かつ計画的推進を図るため障害者基本計画を策定しなければならないものとするとともに、地方公共団体においても、これに準じた計画の策定に努めなければならない」とありますので、児童福祉、母子福祉等を含めた総合的な福祉計画としての策定が可能か検討してまいりたいと考えます。就学前の知的障害児で、現在市の保育所で入所措置している児童は四名おり、今後も受け入れの門戸は拡大してまいる所存でありますが、障害者福祉に対する行政姿勢としては、今後ともノーマライゼーションの理念に徹して各種施策の推進を図ってまいりたいと考えております。以上であります。 ○議長(大和市郎君) 野中教育長。 ◎教育長(野中和郎君) 松谷議員の御質問にお答えいたします。奨学金の貸与につきましては基金の運用益でのみ実施されるのが理想でありますが、現在の基金の状況を見ますとまだそれにはほど遠い状況でありまして、平成五年度及び平成六年度におきましても、市費二千万円をそれぞれ積み立てし、基金の増額に努めながら貸与している状態であります。また、奨学金の貸与枠に対しましても貸与希望者がそれを上回っており、このようなことを考えますと、大学院生、専門学校生に貸与の枠を広げるということは今のところ難しいと考えております。現在、平成五年度末における基金残高は五千七百万円ほどの予定であり、六年度末では七千万円ほどの見込みとなっております。いま少しの間基金の増額に努めるのが最大の課題でありますが、現在の社会状況を考えると対象枠の拡大については今後検討していかなければならない課題であります。また、奨学金の貸与を受けた者が本市に定住した場合、奨学金の返還金の免除等が考えられないかということでありますが、秋田県育英会の場合、来年度以降貸与を受ける学生が卒業後秋田県内に在住した場合、三分の一の返還金を免除するとのことでありますが、本市の場合の基金の状況や奨学金の貸与を受けていないで本市に定住した人等とのバランスなどを考えるとき、現在のところ、導入は難しいのではないかと考えられます。しかし、若者の定住、定着化の施策としてはすばらしいアイデアの一つであると考えますので、この制度については今後の研究課題にさせていただきたいと思います。以上であります。 ○議長(大和市郎君) 二十一番松谷福三君。 ◆二十一番(松谷福三君) どうも御答弁ありがとうございました。財政運営について大体わかったわけですけれども、ただ、今の市長御答弁にありましたけれども、地財対策といいますか、国の方の政策がはっきり見えない部分があるというふうなことでございましたけども、私の質問の中身そのものは地方債に関して重点的に取り上げておるわけでして、それからすれば公共事業等臨時特例債が廃止になって、臨時公共事業債という形の中で、その他特別分と含めましてトータルで一兆一千億円ほどふえていると、まあ、減税補てん債を別にしてというわけですけども、これが大体地方の一般財源の不足分を補うための、今まで言う、それこそ特例債とか財源対策債とかいうふうに言われるものであると私は理解しておるわけですけれども、そういった形の中でこれを利用すれば一般財源分に振りかえられるというふうな背景を持った中で質問しておるつもりでございました。そういった形の中のことと、それから恐らく通常債分としては国庫補助金の恒久化部分だとかそういった形の中身の中の地方債になろうかというふうに思います。それでも最終的には一般財源の浮く原因になるのでないかなというふうな理解をいたしておるわけでございます。その辺のところをわかる範囲内でひとつお答えいただければなというふうに思います。 それから、第五小学校についてはわかりました。本当に厳しい中、五小も崇徳小もという形の中でやられたことに対し評価いたしておりますけれども、先ほど言いましたように、できるだけ早くというふうなことでございますので、その点今後の財政関係が許すならば、単年度と同じぐらいの効果を持つように早期に完成していただきたいものだというふうなことを御要望しながら、この点に関しては御答弁は要りません。 それから、長期的財政運営についてですけれども、いみじくも市長は、容易ではないというふうなことをおっしゃいました。容易でないからこそ計画を立てられるべきではないのかと、あひるの水かき的な要素の計画でもいいわけですので、じっくりと地に足をつけて十年なり二十年なりの期間で削減していくんだというふうな計画を立てるんだと、そんなのでも構いませんのでひとつ計画だけは立てられるべきじゃないかなというふうに考えております。その点に関して、容易でないからこそ計画を立てられるべきだというふうに主張いたしたいと思います。この点についても御答弁願いたいと思います。 奨学金制度についてはわかりました。難しいこともわかりますので、ただ需要がないわけではございませんので十分に慎重に検討なさって、できるならばやっていただきたいものというふうに思います。 それから、総合福祉計画の策定については、中身はわかりました。いろいろ計画を立てなければならない、それを総合的にやっていくのだと、ただ、そういうふうなマッチしたものができるかどうか今後検討するということでしたので、ひとつ御検討願いたいというふうに思います。どうもありがとうございました。 ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。 ◎市長(宮腰洋逸君) 第一番目の六年度の財政運営ということでありますが、恐らく地方債等をやりながら事業もたくさんやれと、こういうことだろうと理解しておりますが、御承知のように事業等によりましては適債事業、そうでない事業とさまざまあるわけでありますし、また御承知のように国が税収不足ということでこれからの交付税がどうなるか、まあ、当初予算編成のときには交付税は二割カットだというふうな話もあったわけですが、そうなってくると今までの財源の入れかえ等の中で、一般財源のつもりのものが起債でなきゃならないようなこととかさまざまな財源移動等のことも出てくるのではないかというふうに思います。また、確かに事業の中では六年度はほとんど単独事業ということで一般財源一〇〇%のような事業等もありますので、まあ、総額は膨れておりませんが、実際的な効果としてはいろんな形で出てきているのじゃないかとそう思いますし、先ほど申し上げましたように、これからの国の財源の状況がはっきりしていく中でいろいろな取り組むべき事柄も出てくるかもしれませんので、決してその事業を大きくしないというんじゃなくて、現実の状況ではそういう見えない財源の状況の中ではそういう形できておるわけでありますので、今後国のまた状況の変化に応じて対応してまいりたいとこのように思っております。 それから、第五小学校でありますけれども、まあ、一級建築士の松谷さんには設計期間あるいは工期、さまざまな入札の期間等を含めて財源的のみならず物理的にもかなり難しい問題であるということは御理解いただけると思いますので、できるだけ可能な限り早く完成したいと、そういう考えだけはひとつ御理解いただきたいとこう思っております。 それから、長期財政運営についてでありますが、御承知のように火力の増収、それから工業団地等もこれから先は少しずつ回収というか、収入の増になってくるわけであります。ただ火力の場合は途中からまたぐっと下がっていく形になるわけですが、そういう状況を踏まえながら先ほど来申し上げているように三年間のローリングをしながら立ててきておりますし、経常経費比率等についてもかたく見積もりながら、先ほど申し上げましたような八〇%台後半で推移せざるを得ないとこういうことでございます。起債をふやしていくということはまた経常経費の増にもつながっていくわけでありますのでなかなか減らせないと、こういうジレンマがあるわけでありますので、ひとつ御理解をいただきたいとこう思っております。 ○議長(大和市郎君) この際休憩いたします。午後一時会議を再開いたします。                      午前十一時二十七分 休憩    ---------------------------───────               午後一時      開議 ○議長(大和市郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、三十番宮腰誠君の発言を許します。三十番宮腰誠君。          (三十番 宮腰誠君 登壇)(拍手) ◆三十番(宮腰誠君) 社会クラブ議員団を代表いたしまして、一般質問を行いたいと思います。長年の懸案でありました政治改革関連法案が国会でようやく成立いたしました。強力な自民党政権時代から手がけられながらなし得なかったことでありましたが、選挙区の区割の調整をこの後に控えながらさまざまな曲折を経て成立の運びとなったわけであります。しかもこの間ゼネコン汚職の摘発が進みまして、仙台市長、宮城、茨城県知事に続き、前の建設大臣逮捕という事態に至りまして、地方から中央へと事件の火が飛び、政治と金、選挙と金の目を覆いたくなるような醜い実態が明らかになり、唖然とするわけであります。今回の政治改革関連法のスタートは、即政治浄化が図られるというほど生易しいわけではありませんが、地に落ちた政治への信頼を回復するには政治家自身の自覚と自浄努力が伴わなければならないことであります。私ども地方議会にありましても市民に信頼され、その負託にこたえるためにも利権に結びつくことはもちろん、疑惑を持たれるような行動もあってはならないことでありまして、常に襟を正す姿勢が大事であります。そういう意味で県議会に提出した私ども社会党県議団の県議会改革案や、福岡県小竹町の政治倫理条例は注目に値するものであります。また、景気の低迷は依然続きまして、中にはぼつぼつ底打ちという発言もありますが、大幅減税など、より効果的な政府の経済対策が急がれているところであります。特に、当能代市におきましては昨年の冷害に伴いまして農家の収入だけじゃなくて、各分野にわたりまして大変悪い影響が出ると懸念されているところであります。そういう中にありまして厳しい財政環境ながら市政の発展のために日夜努力されておる御当局に心から敬意を表する次第であります。それでは、以下四点につきまして質問をしてまいりたいと思います。 その第一は、今後の能代市の財政見通しについてであります。既に二十一番さんから関連した御質問がございましたが、中には御答弁いただけるのがあればあわせてお聞きしたいと思いまして、改めて御質問申し上げたいと思います。市の平成六年度予算編成に当たりましては、政治改革法案をめぐる国会混乱の影響もあり国の予算編成が大幅におくれ、特に地方自治体の財政運営の指針となるべき地方財政計画の概要がはっきりしない中での作業スタートであったわけでありまして、市当局も難儀されたことと推測いたします。しかも、地方財政計画は国が予算編成した上で策定されるものでありますから、ことしは異例でありました。さて、その地財計画の中身でありますが、財政規模に対する財源不足が三兆円であります。その不足は地方交付税の増額や地方債の増発で補てんするものであること、頼みの地方交付税も特別会計での借り入れで総額を確保しようとするものでありまして、その後で決定した地方債計画では、前年度対比で四二%強にも及ぶ大幅増発となっておるところであります。さらにはこの後の日程で、国会の議決待ちの所得税、住民税を含めた九四年度税制改正があることになります。したがいまして、国との絡みで市の新年度予算に組み入れが間に合わない要素の内容や、現段階では不確定ながらも、その確定した場合の内容と火力発電所の運転開始により新たな税収が伴ってくることになったわけでありますが、これらも含め今後の財政見通しにつきまして改めてお伺いいたします。加えて、第三次能代市総合開発計画の後期計画も残期間二カ年という段階を迎えまして、新年度予算執行段階でその進捗率が七九・四%と御報告ありましたが、今後の財政展望の中で計画年度内に一〇〇%達成できる見通しなのか、あるいはできないとすれば、どのような点が見直しの対象となるか、あわせてお聞かせをいただきたいと思うのであります。 次に、農業問題であります。その第一点として、米不足情勢についてであります。米をめぐりましては昨年からことしにかけ国内外とも激しい動きが展開されております。昨年の冷害は未曾有の凶作となりまして、約二百万トンの緊急輸入という事態にあります。このことは平成三年も冷害であったというごく最近の痛い経験がありながら、しかも長年にわたり農業関係団体等が要望、運動してきた備蓄米の拡充問題にこれまで耳を傾けてこなかった我が国農政が問われる問題なのであります。そして米市場開放問題であります。昨年十二月定例議会冒頭という異例の取り扱いをして全員一致で決議した本市議会を初め、全国的な地方議会の反対決議にもかかわらず、政府はガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉に関する最終合意案の議長調整案、すなわち平成七年度からのミニマムアクセスを受け入れる米の部分開放容認の決定をいたしました。このことは将来の米輸入自由化への道へつながる問題だけにまことに残念なことであります。米産県として、長年米価運動に取り組んできた者の一人として、さらには連立与党の一党員として悔しい思いにかられております。これからどのようにして日本農業の将来展望を切り開いていくべきかという課題が取り残されました。また、米市場にパニックが起きております。昨年の作況指数七四、備蓄米二十六万トン、約二百万トンの大量な緊急輸入という事態から考えてみますと当然のことでもあります。人気沸騰の国産米と不人気な輸入米という消費動向が一層それに拍車をかけておるのであります。店頭に米がないというショッキングなニュースは国内では久しく聞きなれていないことでありまして、ただ唖然とするのみであります。食味を勝負に産地間競争が激化している国内米市場に、安全性や品質に疑問の多い輸入米が参入という姿ですが、現在のようなパニック現象が一時的なものかどうかは別として、国産米の安定供給体制に何の不安も抱かないことになれてきました私どもにとりましては、米の価値観を改めて再認識する機会になっていることは確かであると思うのであります。そして米とともに食糧の大切さ、貴重さ、特に、安定供給と安全性について、ひいては食糧の自給率の安定拡充の大事さを改めて考えさせられ、結果的には飽食時代とも言われる今の時代に一石を投じていることにつながっていると思うのであります。このような情勢をどう思われますか、市長の考え方をお聞かせいただきたいと思うのであります。 第二点として、平成六年度の減反政策についてであります。水田営農活性化対策事業も二年目、昨年の冷害による凶作という事情から、さらに減反面積緩和がなされ、能代市は前年度対比で二百七十八ヘクタールと、県内では大潟村に次いで多い緩和面積であります。既に市当局では農家の意向調査などを経て減反の仮配分を終えておると思いますが、どのような手順と手法で農家の意向を把握し作業が進められてきたのか、その内容と、あわせて復田とのかかわりについてもお聞かせいただきたいし、また減反要請は今回は能代市長名単独でありますが、能代市農協の対応はどうなっておるのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思うのであります。 第三点として、地域農業確立対策についてお伺いいたします。さきに述べました米の部分開放の政府決定に際し、細川首相はそれに対応した新たな農業再生ビジョンの策定を表明しておりましたが、日本の農政は、これまで中央集権的な口出しをして、補助金による政策的誘導がなされ、地域の特殊性を無視し、そのことはどこでも同じようなことをやらせるという結果につながってきているのではないかと、いつもそう私は思っているところであります。全国一律の農政からの脱却こそ求められていると考えてよいと思うのであります。それには国の農業政策は地方の実情をくみ上げ、地域の農業政策を積み上げたものを支援するという形で取り入れていくべきものと思いますし、そういう運動や主張も強く求めたいのであります。そこで大切なのは、その地域農業の確立策であります。やはり複合経営が主流になると考えますが、その組み合わせ方がいろいろあります。昨年の冷害によりまして深刻でありました稲作に比べ、栽培作目や個人差はあるとは言いましてもネギ、キャベツは好調で、不作が即減収に結びつく稲作をカバーし、複合経営の特徴と底力をいかんなく発揮したケースも多く見受けられました。しかし、それは例えばネギを例にとりますと、作柄がよかったのではなく価格がよかったからでありまして、反対に、一昨年は平年作でありながら惨たんたる状況でありましたように、需給状況、品質、市場流通過程や消費者の動向などで大きく価格が左右されます。基金のある品目以外はその補償はありません。こうした農業事情を考えますと、地域農業に取り組むに当たっての柱となる政策が大切であります。それには市場も含めた豊富な情報、作目、品質、栽培技術等に加え、消費動向などをもとに多角的な見地から検討され、しかも生産者に魅力ある地域の特性を生かした、そしてまた喚起する政策づくりが必要であります。いわゆる能代らしい農業政策の確立であります。そのため国の農政審議会の地域版であります能代市版の農政審の常設はできないものかと考えているところであります。現在、冷害等緊急時の対策本部や能代山本農業改良普及協議会などはありますが、これとは別に各関係団体の代表者にこだわらない農業関係者、例えば団体、グループ等も含めてでありますけれども、それらの関係者、消費者、農業に通じた学識経験者等を若手や女性も含めメンバーとし、市の政策づくりの機能を高めるという考え方がありますが、いかがでしょうか。 次に、第三番目に、有限会社能代産業廃棄物処理センターに関する問題についてお尋ねをいたします。この問題につきましては市民運動も展開され、当市議会でも毎回議論の対象になってきております懸案の問題であります。そして数々の経過を経て、特に市当局と議会各会派等の代表で構成した能代市環境対策協議会等の協議を経て昨年七月二十三日、地元住民としての浅内地区公害対策委員会とともに県を立会人として三者による環境保全協定が締結され、監督官庁であります県以外に、公式には何らの権限も有しなかった市当局が協定という枠組みはありましても、関係地域住民の方々と具体的に改善するためのスタートが切れるポジションに立つことになったわけであります。そういう認識のもとに、以下三点につきまして市長の御見解をお伺いしたいと思います。 その一つは、汚水浸出原因の究明策についてであります。県は、浸出原因の解明には、遊水池を空にすることが第一という考え方を一貫して持ってきているところであります。しかも、それは昨年中にこの遊水池を空にして原因を解明したいという姿勢があったわけであります。しかしながら依然そのことは実行されておらず、むしろ同センター場内の汚水は増量しており、その処理に「あっぷあっぷ」という状況に見受けられるわけであります。その原因は、新しい汚水焼却施設の完成のおくれということであります。しかしながら、党県本部をあわせた私ども議員団が独自に県交渉した昨年の十一月段階で、県当局は、遊水池を年内に空にすることは不可能必至という状況の上に立って、仮に空にならない場合でも何としても年内に、すなわち昨年中でありますが、汚水浸水原因解明の手立てを示したいと言明しておるわけであります。そういう経過を踏まえて昨年の十二月定例議会にて、同僚の渡辺芳勝議員が一般質問に際し市長にただしたわけでありますが、同センターの汚水の現状とその処理状況を含めまして、その後の県に対する市の対応についてお尋ねいたしたいと思います。と同時に、遊水池を空にすることで、私は原因解明の決め手になるのか当初から疑問に思っておる一人であります。遊水池のシートが破損していなければ汚水浸出と同センターとの因果関係の否定につながるというのであれば、それはおかしいと思うからであります。もちろんそのシート破損等の原因で汚水が地下へ浸透しているとすれば大問題でありますが、やはり原因解明には現在既に使用済みの旧処分場の地下の状況を調査することが焦点ではないかと思うわけでありますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、汚水浸出防止対策として同センターが着手した遮水壁工事についてであります。壁体は直径六十センチの立て穴に現場の土、セメント、それにペントマイムをまぜた物を注入し、遮水性のある連続した壁をつくる工法ということであります。しかも内部が空洞でないことから鉄筋等の補強策はしないというものであります。そこで私は、果たしてこれで大丈夫なのだろうかという率直な疑問を抱いております。その一つは、この壁体が同センターの全域に、少なくとも大館沢等を含め浸出汚水問題が発生している全地点を網羅していないこと、いま一つは、このような工法で地震等の地殻変動があった場合に耐えられるものかどうかということであります。そこでお尋ねしたい第一点は、この工法による工事で汚水の浸出はこれで心配ない状態になるという受けとめ方をしてよいのかということであります。第二点は、この工事の一期工事ごとに、同センター場内に二カ所ずつ集水ポンプのボーリングを計画ということでありますが、その機会に同センターの場外の、特に浸出の激しい地点に的を絞ってボーリング調査をし、場内外あわせて地下水脈の構造を解明したらどうかと思うのですがいかがでしょうか。 第三は、係争中の事件についての和解の報道についてであります。去る三月五日の新聞報道によりますと、『公判中の中で、原告側に対し市長の弁護人が「約束の工事が具体的に進行している」とした上で、和解による解決を求めた。しかし、原告側は「工事の経過を見てみないと今の段階では和解はできない」と引き続き争っていく姿勢を見せた』とりますが、その真意と事情をお聞かせいただきたいのであります。 第四番目に、高齢者福祉対策についてであります。当市の人口の高齢化は確実に進行し、現在の約一九%から二十一世紀に入ります平成十二年には二五%と、四人に一人は六十五歳以上となることが必至と予測されているところでありまして、これは国と県平均よりも上回るスピードであります。高齢化ということは、一つには長生き時代ということでありますから基本的には人間寿命が延びていくことは極めて喜ばしいことであります。問題は、せっかく長生きをして、そのことに苦痛を伴ったものがあったり、長寿を憂慮されたりすることのない、安心できて生きがいと喜びがあふれる社会づくり、地域づくりが並行して進められ、年金、医療、福祉制度の充実とともに行き届いた心温まる家庭環境の存在が大事であります。しかしながら、現実には社会的にも家庭的にも課題が年々多く提起されているのが実情であります。そうした中で特色ある注目すべき取り組みをし、その成果と信頼を高めつつある地域も数多くあります。全国自治体初の二十四時間対応のホームヘルパー派遣に乗り出した鷹巣町もその一例であります。当市におきましても多くの新しいテーマに直面しながら関係各方面の協力を得て、高齢者福祉サービスの向上に努めてきているところであります。 さて、こうした高齢者をめぐる福祉環境の中で厚生省のゴールドプランが提起され、これを推進する各地方自治体の福祉計画の策定が進められてきているところであり、高齢者福祉政策としての平成六年から十二年まで七カ年の能代市老人保健福祉計画が固まったようであります。そこでお尋ねしたい第一点は、その市の計画の新規事業の財政規模についてであります。先ほどの御答弁で十七億一千万円という総枠が聞かされましたが、この七年間の前半と後半の段階でどのような財政計画なのか、この機会にお聞かせをいただきたいと思うのであります。また、民間団体による特養ホームの建設計画も聞かれますが、民間主導とはいえ行政としての支援が求められているところであると思いますが、市の計画で位置づけがなされているのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思うのであります。 第二点は、県の老人福祉計画とのかかわりについてであります。県は先月二十四日、県計画を発表し、その後、総事業費約二千百億円であることを公表いたしました。そこで気にかかる一つは、県の計画は各市町村の計画を積み上げたものなのか、すなわち能代市の計画との整合性についてであります。そしていま一つは、そのかかわりで市の計画は計画年度七年間ですべてを実施すると受けとめてよいかということであります。 第三点は、予防福祉の具体策についてであります。現在、特養施設への入居希望者が多く、能代市で百人以上の待機者というほど施設の不足に悩んでおります。加えて、痴呆性の方々のための専用棟建設も急がれております。また在宅介護サービスの充実に年々力が注がれているところでありますが、すべてこれでよしという段階までは関係方面の懸命の努力にかかわらず相当の困難も伴ってまいります。それだけに高齢者のあるべき施策とは、これから一層膨らむ課題と見るべきでありましょう。あわせて人口年齢の高齢化現象は、若い年齢層の減少が引き上げの要因になっているのも事実でありますから、したがいまして、魅力ある地道な積み重ねと人口対策をも念頭に置いたものでないと実らないと思うのであります。そういう視点に立って、私は高齢者が寝たきりや痴呆性など不自由な状態になる前のその予防の環境づくりに焦点を当てて考えてみたいと思うのであります。私は、高齢者を大事にするということは、仕事も何もさせないで上げぜん、据えぜんで遇することではないと思うのです。むしろそれは逆で、能力や体力に応じた仕事もしてもらい、どんどん体を動かしてもらい、人との交流も盛んにしてもらうことは心身ともにどんなによいことか。そういう環境づくりは家族も含む周囲の配慮と思うわけであります。そういう意味で幾つかの機能を念頭にさらなる環境づくりを考えてみたいと思うものですが、いかがでしょうか。その一つは、健康教育や訪問診療などの健康指導であり、二つには、幼年、若年、高年齢者の、すなわち異世代間交流であります。そして次には、それぞれ長い人生の経験の持ち主であります。得意、不得意もあるでしょう。でも、経験、未経験にとらわれることなく働くこと、すなわち労働であります。そして四つ目として、遊びであります。趣味を生かすこと、初めてのスポーツを楽しむこともあるでしょう。これらの機能を持った施設を通して適度な疲労や刺激は、イコール健康増進に役立つと思うのであります。そこで私は、以上のような機能を備え、山、川、海、木の香りと景観、そしてきれいな空気に恵まれた大自然を生かした、いつでも、だれでも参加、利用できる楽園のようなものをつくることができないだろうかと常々考えるものであります。そして、これは必ずしも一カ所に集中するというのでなくとも、それぞれの機能の複合したものがある程度分散してつくられることもあるでしょう。また、手始めに市の遊休施設の活用もあると思います。もちろんそのためには何といいましても、行政のみならず地域や民間諸団体との連携体制、医師会の支援、そしてマンパワーの確保ということは欠かせないことであります。 新年度予算案にも予防福祉にかかわる新しい事業が見受けられることはまことに歓迎すべきことでありまして、さらにそれを総合的に推進するためにも、そして暮らすなら老後も安心して、楽しい、豊かな環境に包まれた能代という、生涯期待に胸膨らむまちづくりのためぜひ御検討願いたいと思うのでありますが、市長の御見解をお伺いいたします。 以上、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。          (市長 宮腰洋逸君 登壇) ◎市長(宮腰洋逸君) 宮腰議員の御質問にお答えいたします。まず、最初に、今後の市の財政見通しについてでありますが、おっしゃるとおり、平成六年度当初予算につきましては、国の予算編成のおくれから地方財政計画の詳細が不透明な中で編成作業を進めてまいりました。したがって、地方財政に関することとして詳細が明らかになり次第、補正予算等で対応しなければならない事務事業もあると思われます。現在までに発表された内容を見ますと、平成六年度税制改正大綱の要旨の中で、単年度限りの特例措置として、個人住民税所得割についてその二〇%相当額を減額する定率減税を実施することが示されております。この分の当市における影響額は現段階では約二億八千万円程度と試算しておりますが、この減収額を埋めるため地方財政対策では減税補てん債を発行し、後年度この元利償還金の七五%が交付税算入されることとなっております。また一般公共事業債の充当率の臨時的引き上げ等報道されておりますが、詳細については明らかになり次第対応してまいります。四月に固定資産税、六月には個人市民税が決定いたしますのでその結果を見ることと、また地方交付税は地方財政計画では前年度並みを確保しておりますが、まだ国の基準財政需要額の単位費用が示されておりませんので、その結果を見て対応していきたいと考えております。平成六年度当初予算で火力発電所一号機の運転開始による税収は見込み計上済みであります。一般財源の確保を図るため財政調整基金、減債基金からの取り崩しを行っておりますので、基金残高も少なく、今後の財政需要への対応は大変厳しいものとなっております。 第三次総合開発計画は平成七年度が最終年度となります。これまで大変厳しい財政事情の中で順調に推進されており、平成六年度当初予算執行を加えますと七九・四%となり、七年度は現時点の事業費ベースで約六十五億円程度が見込まれます。計画に組み込まれている事業の中で熟度等から先送りされる事業も予想されます。これらの事業については引き続き新総合計画へ組み入れを検討しながら、できるだけ早期に推進できるように努めてまいりたいと考えております。 次に、農業問題でありますが、米不足の情勢について、国においては、昭和四十五年度より米の需要に見合う水稲必要作付面積と水稲潜在作付面積の差の部分について転作を実施してきたところであり、昭和四十五年産米から平成四年産米までの全国の水稲作況は地域ごとに、年ごとに若干の違いがあってもおおむね米の需要に見合う生産を上げてきており、だれもが米は十二分に供給できる量が毎年生産されると考えてきたわけであります。しかしながら、おっしゃるとおり昨年の全国の水稲作況指数は、平成四年までの戦後の最低作況指数であります昭和二十八年の八三を大幅に更新して、七四と記録的な凶作となり、国産米が大幅に不足しているのは事実であり、この異常事態のもとで臨時応急的な措置として外国米の緊急輸入についてはやむを得ないものと思考しております。米の不足について数的に分析したものによりますと、四年産米の全国の収穫量が千五十四万トンに対し、五年産米は七百八十三万トンにとどまり、二百七十一万トンの減となって、そのうち政府管理米として集荷できたのは四百万トンで、もち米や加工用米を除いた主食米は三百二十万トンとなっております。また、政府備蓄米はかって百万トンから百五十万トンあったものが、平成五年度では二十万トンぐらいと言われており、政府の管理する平年時の主食米は五百四十万トンから五百六十万トンに比べますと二百万トンぐらいの減となります。このため外国産米に頼らざるを得ない状況になったわけでありますが、平成五年十一月から平成六年二月までに国産米だけを消費して、平成五年十月には約五十万トン早食いしておるため、平成六年三月以降に回される国産米は九十六万トンしかなく、勢い外国産米とあわせた販売で対応せざるを得なくなっておる状況であります。消費者は、外国産米について食味や残留農薬、カビ、悪臭等に不安があり、国産米の要望は高いものとなっておると考えられますし、生産者である農家においては、自国の主食である米については自分たちの手で生産しなければならないと強く認識しているものと感じておるところであります。なお、第一次石油ショック当時のトイレットペーパー騒ぎの二の舞にならないように市民の皆様にも慎重な対応をお願いするものであります。これらの問題については県や関係団体と連絡を密にしながら、国に対して適切な対応策を講じられるよう要請してまいります。 次に、平成六年度の減反政策についてでありますが、今回の能代市の転作配分は昨年二度にわたって行われた詳細な復田希望調査に基づいて配分されたものであり、意欲のある農家にはそれに応じた緩和が行われておりますので、今までと違った配分方法に農家にとって理解しづらい面もありましたが、各集落で行ってきた説明会では、大方の農家に評価され受け入れられたと思っております。復田事業もこの二回の調査の段階で各農家に周知し、さらに追加調査も行ったので、国・県あわせて約百ヘクタールと県内最大規模の復田事業となっております。仮配分の通知に関しては、従来市長と協議会会長の連名で行っておりましたが、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉でミニマムアクセスを受け入れたことに対する全国農協中央会の方針を受けて、県中央会でも転作非協力の方針を打ち出したために、その時点で能代市農協も従ったものであり、やむを得ず市長のみの通知といたしました。しかしながらその後の話し合いにより、今までどおりの全面協力の方針に変更をしております。転作のペナルティについては、国では現在のところはその扱いを変更する方針はないと伺っております。 次に、今後の転作に対する方針についてですが、今年のような未曾有の冷害による米不足は一時的にはあるものの、国では現在の潜在的な米生産力は需要を大きく上回っており、もし転作政策を中止すれば、米の過剰から現在食管法で維持されている米の価格について国民の合意を得られず大幅な値下げをせざるを得なくなり、結果的に農業経営全体に影響を与えるとしております。また、昨年のガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉でミニマムアクセスの受け入れで済んだのは、日本が米の転作を行っていることが前提条件となっており、これを中止すれば米の全面輸入自由化のおそれがあるとしておりますので、市としては農家が農業経営を維持していくために、今後も農業団体である農協ともども転作への協力をお願いしていかざるを得ないと考えています。 三番目の地域農政確立についてでありますが、能代市には平成元年に設置された能代市構造政策推進会議があり、ここでは地域農業振興のため推進方策の策定や情報の収集、組織化等の活動支援や、それら地域農業推進のための役割分担を毎年決めております。さらに各機関のその年の活動計画を話し合うとともに重点推進事項を決定しております。委員には市、農業委員会、農協、農業共済組合、土地改良区、森林組合、改良普及所及び農家を代表して構造政策指導員で構成されております。今年は担い手農家の意向を市政にいち早く反映させるための認定農家協議会の設立が決められ、今年一月に設立されたところであります。一方、生産者と消費者の集いを開催し意見交換を行っておりますが、ここでは生産者の側と消費者の側から活発な意見が交わされ、相互の理解に役立てておるものと考えます。このような既存の機関においても対応が可能とは思われますが、ただいまの提案を意として農政全般にわたり総合的な検討を図りながらこれからの農業問題に対応してまいりたいと考えております。 次に、有限会社能代産業廃棄物処理センターにかかわる問題についてでありますが、第一の汚水浸出原因の究明策について、有限会社能代産業廃棄物処理センターにかかわる環境問題に対処するため環境保全協定を締結し、市、浅内地区公害対策委員会及び事業者の三者で協議会を開催し諸問題に対応しておりますが、浸出水防止対策として実施する遮水壁工事については二月一日付で工事契約をし、本工事に着工しており、また住民不安の一つであるドラム缶の保管量についても、二月末で二万四千四百八本まで減量し、六年度の早い時期に協定の目標である二万本以下になる見込みとの報告を受けております。ただ、御質問にありますように、県が原因究明のために指導しております場内の保有水の減量が進まず、浅内地区公害対策委員の方々からも事業者に対して不安が表明されておりますので、市としても法に基づく指導権限のある秋田県と能代保健所に対し申し入れをしております。また、二月二十三日の三者協議会で、事業者は月当たり過去十年間の平均雨量として雨水分が約一千トン、ポンプアップでくみ上げ処理する水が約八千トンあり、自社の焼却炉処理が約一万一千トン、その他新規に外部で処理する計画の量が約一千トンで、月当たり約三千トン減量する見込みとしておりますので、この計画に基づいて場内保有水の解消を図るよう要請しております。また、遊水池を空にし、またその他の事業場内の水を処理することが原因究明につながるとして、県では場内の保有水をなくするよう進めておりますので、場内保有水の早期解消を図るよう事業者に督励をしておるところであります。まず遊水池を空にして、それでもなお原因が特定できないときには、さらに既に埋め立て終了している場所などを調査の対象にする必要があると考えております。基本的に処理場内のことにつきましては、法令に基づき権限のある秋田県が設置について審査、指導したものであり、御提言がありましたことにつきましては県に申し入れ調査をしていただき、処分場外につきましては、市として調査を継続してまいりたいと考えております。 次に、遮水壁工事についてでありますが、事業者に日本国土開発株式会社から提出され、説明された遮水壁工事施工計画書によれば、壁体については地中に径六十センチメートルの穴を掘り、現場の土とセメント、ベントナイトをまぜて遮水性のある連続した壁をつくる工法でありますが、周囲の土の圧力が均等であることや、この上に建造物をつくるとか内部が空洞になっているものをつくることでもないことから、鉄筋等の補強は特別必要としないとしております。また、底部については、充てん剤の耐圧強度が十分あるので折れ曲がることがないと聞いております。また、地震等については、一般的には地中構造物は地表より地震の影響は受けにくいとされておりますので、地形を変えるような大地震以外は計画どおりの効果を示すものと伺っております。浸出水の発生状況を踏まえた遮水工事であり、設計者(大成基礎設計)が十分な調査をした上で設計された計画であると承っておりますので、所定の目的が達成されることを期待しております。また、現在計画されている三工区以外の場所についても、浸出水防止のため工事施工の検討をしたいという考えが示されておりますので、その対策を求めてまいります。場外箇所の地下水等の調査については、今まで処分場内の浸出水や沢筋の地下水の湧出する地点や湧水の流れる水路等の調査を実施しておりますのでこの調査を継続し、今後、遮水壁の完成後と今まで調査してきたデータとの比較等により検討の資料にしていきたいと考えております。 次に、係争中の事件にかかわる和解の報道の真意についてということでございますが、平成六年三月四日の秋田地裁での口頭弁論において、能代市浅内財産区管理者能代市長の代理人により、遮水壁工事着工を理由に和解による早期解決について打診があったとの報道もありましたが、浅内財産区としては、十二月六日付、準備書面で、財産の管理に手落ちはなく、請求却下の判決を求めておるところであります。汚水防止工事については、有限会社能代産業廃棄物処理センターへ機会あるごとに根本的な汚水防止対策工事を行うように求めたことにより、漏水防止の遮水壁工事に着手したことでもあることから、原告住民側と被告有限会社能代産業廃棄物処理センター側に対して、合意点を見出せるものであれば無意味に裁判を長引かせることは互いの本意ではないだろうとの推測から、できるものならば和解をした方がよいのではないかと進言の意味で申し述べたものであります。ただいま申し上げましたことについては能代市浅内財産区管理者能代市長の代理人の弁護士に確認をしております。 次に、四番目の高齢者福祉対策でありますが、市の老人福祉計画にかかわる平成十二年度までの市の事業として行う新規事業の総事業費は、十一番さんにも申し上げたとおり、現時点で推計すると十七億一千万円であります。これを計画の前期と後期に分けた場合、平成六年度から平成八年度の前期では約二億二千万円、平成九年度以降の後期は施設関連等もあり約十四億九千万円と試算しております。また、本市には特別養護老人ホームの入所待機者が三月一日現在で百四十人もいる現状で、今後も特別養護老人ホームの増設は必要と考えております。これからの特別養護老人ホームなどは官民を問わず社会福祉法人経営が趨勢となっており、したがって、民間の施設も必要と考えております。社会福祉法人で設置運営をする特別養護老人ホームは県から法人としての認可がおりてから補助の申請になると聞いておりますので、その時点で具体的な計画が示されるものと思います。 次に、県の老人保健福祉計画とのかかわりについてでありますが、市町村の老人保健福祉計画は、国のゴールドプラン及び県から示された目標水準を基本としながら市町村の実情や高齢者調査結果を考慮して、施設サービスや保健福祉サービスの目標量を定めております。県の計画はそれぞれの市町村の計画をヒアリングしておりますので、大方はそれを基礎として積み上げ方式となっているものと思います。ただし、施設計画のうち特に特別養護老人ホームの設置については全県各地市町村からの要望が多いので、国の認可等の関係から一部調整された部分もあるようであります。本市の計画については、平成十二年度までぜひとも実現したいものを重点的に取り上げ策定したものであり、県の許認可に係る事業については採択に向けて積極的に働きかけてまいりたいと存じます。しかしながら、国のゴールドプランについては財政的な裏づけは特にありませんので、既存の制度の中で取り上げていくということでありますので、これからもよく勉強して進めていきたいとこう思っております。 次に、予防福祉の具体策についてでありますが、本市の老人保健福祉計画の中では、在宅福祉とともに予防福祉も基本方針として踏まえ、健康期、半健康期の人をも対象とした保健福祉サービスの実施により保護的福祉の発生を予防することにしております。このため現在実施しておりますショートステイ等の短期保護事業、はり、きゅう、マッサージの施術費助成、介護者健康対策事業の充実強化を図るとともにデイサービス事業や健康教育、訪問指導にも重点を置いた内容としております。また、ボランティア活動への積極的な参加、友愛活動など高齢者の社会参加、シルバー人材センターの育成、新スポーツの普及、生涯学習の充実などの生きがい対策についても計画に盛り込んでおりますが、恵まれた土地や自然を生かした高齢者の楽園づくり、遊休施設の活用については貴重な御提言として今後の施策推進の中に反映したいと考えます。以上であります。 ○議長(大和市郎君) 三十番宮腰 誠君。 ◆三十番(宮腰誠君) 限られた時間でございますから、何点か御質問させていただきたいと思います。 一つは、農業問題の関係については、市長名単名での要請については今お話しがありましたように、農協の対応は旧来と変わらないという受けとめ方をしてもいいのでないかという感じがいたしますが、それでよろしいのかお聞かせをいただきたいと思います。 それから、減反の関係が、ことしは特に昨年の冷害という関係もありまして他用途米と転作とのかかわりがちょっと内容が変わってきておるようであります。ただ、それだけに他用途米についての矛盾も非常に強く持っているところだと思うのです。特に米の開放、いわゆる輸入自由化なり部分開放も含めましてそういうことを阻止するために農家の皆さんは安い米、安い価格に協力した経緯があるのですが、こうなってまいりますと主食用米の輸入、他用途米の扱いもあるわけですが、国産米が他用途米にまだ位置づけされていくということについてはやはり相当な矛盾感が広がっていくのじゃないかとこう思いますが、調査なり、事務的な作業を進める段階でそのような反響はなかったかどうか、ありましたらお聞かせをいただきたいと思うのです。 それから、農政に限らないのですが、どうも農林水産省の関係は、林野行政も含めましてどうも全部一律という方式があの建物の中にはあるという強い不満をいつも持っております。特にこれからの農業というのは上から決めるのじゃなくて、やっぱり地域地域に根差したものを生かしたり喚起したりしていくという農業のつくり方をしていかないと、もっと幅の広いこれからの農業に立ち打ちができなくなってくるんじゃないかという思いがするのですが、そうなってまいりますと上からの基本線のレールを敷いたものでなくて、積み上げたものをもとに下がレール敷くという形をやっぱり逆の方向から、これから新しい政権の中でつくっていかなきゃいけないのでないかとこう思われるのですが、そういう意気込みで、地域の政策づくりについてはそういう政策づくりを具体的に進めていくための頭脳をぜひ常置をしてもらいたいとこういうことで、名前は何でもいいのですが、そういう機関をひとつ常設できないかということで申し上げたわけでございますから、今の市長の御答弁を踏まえて期待をいたしているところであります。 それから、産廃の関係ですが、私、この汚水の浸出の源をきっちりとまず特定すること、これにこだわる意味は、やはり原因者であるということと、疑わしいということはやはり取り扱いが変わってくると思うのですね。今、遮水壁工事を進め、その他にもそれなりの対応をしつつあるとは聞いておるわけです。これは、あくまでも業者の誠意、誠意に基づく努力であるわけですが、これ原因者を特定いたしますと、責任と義務という形に変わってくるわけです。しかもこれが地下の問題でありますから、なかなか因果関係の証明が難しいのですね。こういうことから県の方でも遊水池を空にするということを前提に進んできたわけですが、遊水池を空にすることで原因は究明できないということを私は疑問に思うと同時に、もっともっと並行して疑わしい点に対する調査にやっぱり県は取り組むべきだったとこう思うのです。今からでも遅くないわけですから。そういう意味で一つ一つ積み上げるという、ある意味では時間を重ねていくのじゃなくて、やはりそれに対する徹底した調査を並行して進めていくということが大事なことじゃないかとこう思うんです。どうも私は、県のやり方については、今までの経過を見ますと、先ほど申し上げました内容も含めまして大変ゆったりした感じにとれるわけです。実際は大変深刻な問題になっているわけでありますから。そういう意味で、今後県に対する折衝の段階でも、ぜひ先ほどお話しになったように、提起をしながら強力な進め方をしてもらうように、監督官庁としての責任を果たしてもらうように取り組みが必要だろうと思うのです。どうも私どもが接触した感覚では、県としては環境保全協定を結んだ能代市に対して、転がしてよこそうという気持ちがなきにしもあらずと警戒しておるのです。どうもそういう面では、よほどそういうことを心していかないと、やはり許認可権だけ持っておって実際はさらっと肩透かしを食うという心配もあるわけでありますから、そういう面でひとつ覚悟を決めて対応してほしいとこう思いますし、しかも先ほど申し上げましたように、具体的な疑問点というのは、私はやっぱり旧処分場だと思うのです。それに対する調査体制についての市の、いわゆる協定当事者としての市のひとつ取り組みもぜひ進めてほしいものだと思うのですが、その点に対するお考えをお聞かせをいただきたいと思います。 それから、時間がありませんから、高齢者福祉の関係ですが、いわゆる県の計画とのかかわりですね。特に特養関係はびっくりいたしました。発表になりましたが幾らもないんですね、十九施設しかふやせない。先般、私ども内部でことしの県のこういう特養施設に対する補助枠の問題が話題になりまして、いろいろ県の関係の方から話を聞いたら、県とすれば従来以上に枠をどんどん広げていきたい。これは議会側の話ですから当局と違うのですが、進めていきたいという県の考え方だ。で、ことしはたしか合川町ですか、含めて五カ所この対象にするということになったのですが、その割には、その後発表されたのを見たら案外枠が狭い、こうなってくると何か取り合いになっちゃって大変だなと思うと同時に、ほかの事業についてもそういう関係があるのじゃないかなとこう思われてならないのです。特に、能代の周辺では二ツ井町でも名乗りを上げていますし、民間でも今頑張ろうとしているところでありますが、そうなりますと狭い枠で能代市が支援するにしても大変なわけですね。そういう意味では、どうも県というのは、せっかく各地域に特色ある福祉計画樹立を厚生省から受けて呼びかけながら、結果的には枠をはめちゃっているという感じがするのですが、その辺は心配ないものでしょうか、この機会にあわせてお伺いしたいと思います。 ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。 ◎市長(宮腰洋逸君) まず農協の関係でありますが、その後従来どおりということの受けとめ方でよろしいことでございます。 それから、他用途利用米につきましてですが、これはいろいろと異論がございました。ちゃんとそれを守った農家がばかを見るようなことではなかったかと、そういうような声もあったわけでありますが、今後は限度数量の中で、割り当ての中で消化してもらうと、そういうことで指導してまいりたいとこういうふうに考えております。 それから、農水省の一律方式ということですが、これはたびたび減反政策の中でも私ども秋田県市長会、あるいは東北市長会で問題にもなっており、そういう意味から、例えば転作の場合でも、米の単作地帯である東北、しかも米が主力というか、米オンリーとも言える東北ではやはり傾斜配分をなされるべきであると、そのこともこれまでも強く要望してきておるわけでありますし、これからの総体的な米不足のような状況等を踏まえますとそのことも強く続けて要望していかなければならないと、このように思っております。それから、また例えばこのたびの場合は、能代の改良区について言えば、減少水田等も認められたような形とかということで多少の変化は出てきておるわけでありますが、しかしそれにしても米作地帯に対するやり方は一律では困るということは、これも申し述べてきているとおりであります。 それから、産廃の問題でありますが、まさに協定ができて市に責任を転がされたのではたまったものでありませんし、このことについてはこの協定を結ぶ段階でも私はそのことを一番心配して、県の立会人等も含めて、県も立ち会うという形での参画をしてもらいましたが、いずれにしても認可、指導者であり、権限者でありますからこれは今後とも強く要望してまいりたいと思っております。さらにおっしゃいましたような疑わしい点については、さらに続けて並行してでも調査をしていってもらうよう、これも要請してまいりたいと思っております。 それから、高齢者の特養の施設でありますが、いろんな形の中で、例えば私どもの方で百四十数名、さらに能代山本となりますと恐らく待機している人が二百名を超えるだろうと、さらにこれからの高齢化を踏まえると当然二百数十名となった場合に、五十名施設でも五つぐらいは必要だと、この地域に五つぐらいは必要だというような格好になっていくわけでありますので、今回の県の計画の中で十九施設というのは、国等の枠の問題でそうしただろうというふうに推察されますが、絶対的には非常に少ない数でもありますので今後県ともよく相談しながら、当地域の充足のために各市町村ともども力を合わせて頑張ってまいりたいとこう思っております。 ○議長(大和市郎君) 時間でございますので、ひとつ御遠慮ください。  この際十分間休憩いたします。                      午後二時      休憩    ---------------------------───                   午後二時十九分   開議 ○議長(大和市郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  三十番宮腰誠君の質問に対する答弁の一部を訂正したい旨の申し出があります。よって、これを許します。宮腰市長。 ◎市長(宮腰洋逸君) 先ほどの他用途利用米に対する答弁を補足、訂正させていただきたいと思います。 平成六年度他用途利用米については、水田営農活性化対策の枠組みの中ではあくまで転作の一形態、制度上は従来どおりということとして位置づけは変えずに取り組むものの、その実行に当たっては従来の 割り当て的な取り組みは行わず、契約出荷等の推進については、それぞれの地域や農家の判断にゆだね るものと、こういうふうになっておりますので訂正させていただきます。以上であります。 ○議長(大和市郎君) 次に、十六番工藤勇男君の発言を許します。十六番工藤勇男君。          (十六番 工藤勇男君 登壇)(拍手) ◆十六番(工藤勇男君) 清流会の工藤でございます。一般質問を始める前に、本定例会に一般質問の機会を与えてくださいました議員の皆さんに、心から御礼申し上げたいと思います。また、当局に対しましては、私の質問の内容については先ほどの十一番さん、二十一番さん、三十番さん、いろいろ関連する部分があろうかと思いますので、ひとつ御答弁の方よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは通告に従いまして一般質問をいたします。まず、最初に、平成六年度の予算についてお尋ねいたします。国の予算編成は、政府の政治改革関連法案の論議を最優先するとの方針から、大幅な遅れとなりました。また、地方公共団体の指針ともいうべき地方財政計画の概要も明示されないまま、本市の平成六年度当初予算案が編成されました。御当局に対し、心からその御労苦をねぎらいたいと思います。経済界はいまだバブル崩壊の影響が続いており、景気の動向は出口の見えないところにあるわけであります。また、最近の急激な円高傾向を見ますと、経済状況はより一層厳しいものがあり、地域経済にも深刻な影響を与えておるものと考えられます。したがいまして、本市の景気の回復、しいては税収の伸びも期待できないと思います。こうした中で一般会計当初予算案、総額百八十億二千五百万円が示されました。これは市総合体育館建設、日影沢の一般廃棄物最終処分場事業など大型継続事業が終了したことにより、昨年度の当初予算と比べ六・六%下回ったようであります。主な歳入を昨年度当初予算と比べてみますと、市税は七十億五千九百七十九万一千円で三三・一%の増、地方交付税は四十四億三千万円で一七・七%の減、また市の借金であります市債は目安とされている八億円を下回り、七億百十万円で六七・二%の大幅な減となっております。しかし、財政調整基金、減債基金など繰入金の充当にも見られるように、苦しい財政事情が伺われるところであります。今、地方自治の確立、あるいは強化のため地方分権などが盛んにいわれておるところであります。本市の財政力をあらわす一つの指数、自主財源比率を平成六年度で見ますと、全国平均よりは遠い数値でありますが五一・二%となっております。これは自主財源が依存財源より少しではありますが上回ったことを示しており、大きな特徴点であると考えられます。歳出については、第三次能代市総合開発計画の基本理念に基づき、緑豊かな活力ある定住都市づくりに向けまして次の四つの重点項目、一つには、生活に密着した社会資本の整備を図るために道路、排水施設、上下水道及び衛生施設の整備を進める。二つ目として、あすを担う子供たちが明るく学習できるよう教育環境の整備を図る。三つ目には、高齢化社会に対応した地域福祉の充実、生きがい対策の推進を図る。四つ目として、既存産業の育成と新しい産業の誘導を図り人口の定住化を進める。この四つの項目をもとに限られた財源をその必要性、緊急性、あるいは効果等を十分に検討し重点配分されたようであります。国の予算編成の大幅なおくれによって財政見通しも不透明な中で、例年と違った厳しい難しい編成作業を強いられ、また政府の景気対策による総額六兆円規模の減税を目前にしますと、どうしても今後の財政見通しに不安が大きくのしかかってくるわけであります。 このような観点から第一点目として、今後予想される所得税、住民税などの減税等による税制改革の影響と財政の見通しについてどのように考えておるものでしょうか、お聞きしたいと思います。 第二点目は、景気浮揚効果を期待する主な事業と経済の見通しについてであります。公共事業の実施は、景気浮揚の効果を大いに期待するものであります。本年度の地元企業への経済波及を配慮する主な事業は、崇徳小学校建設、第五小学校体育館建設、東部小中学校共同調理場建設、渟城第二小学校大規模改造事業など考えられますが、このほかにありましたらお聞かせ願いたいと思います。また、六年度の投資的経費は三十億八千二百八十万六千円で前年当初比四二・八%の減です。前年度と比べますと余り期待できないとは思いますが、予算を執行していく段階でどれだけ本市の経済の底上げができるのか、経済の見通しについてもお聞きしたいと思います。 第三点目は、公債費の残額と今後の償還見通しについてであります。市債は、そのときそのときの政策事業として限られた財源の中で、社会資本整備を進めるために必要なわけであります。また、市債は大きければ大きいほど将来公債費比率を上昇させ、財政負担を強いられると考えられます。さらには、経常収支比率を押し上げ、財政を圧迫する要素をも持っております。したがって、事業の選択や起債計画の調整等、公債費の償還額が多くならないようにしなければならないと思います。このたびの市債は七億百十万円と、目安の八億円を下回りましたが、平成六年度の公債費を見ますと償還額は約二十億七千万円ぐらいで、依然として二十億円台の償還額であります。平成五年度で償還を終了したものもあるでしょうが、公債費の残額と今後の償還の見通しはどのようになっていくものでしょうか、お聞かせ願います。 四点目として、経常収支比率と地方債許可制限比率についてお尋ねいたします。これはどちらも健全な財政を維持するための目安となる比率であります。経常収支比率は七〇から八〇%が標準とされており、地方債許可制限比率は二〇%を上限としておるようであります。当初予算時点と今後の推移についてお知らせいただきたいと思います。 次に、米づくりに意欲の持てるビジョンづくりについてお尋ねいたします。小売店、スーパーの店頭から国産米の姿が消えました。外米の輸入によって「米の量は確保されます」と、関係機関は言っておられますが、消費者は安い外米よりも、高くても国産米を求めて店頭に殺到するのです。それは残留農薬が心配だ、特に収穫後の品質を保持するための薬剤処理は大丈夫なのだろうか、また炊き方や調理方法はどうしたらよいのだろうか、安全性と食味に不安を感じているからなのです。販売業者は、食糧庁からの割り当て制限で三割しかない国産米をどうやって平等に販売すればよいのか、商売はお客様あってのものだから不公平感を持たれては成り立たないし、せっかく築いた信頼関係を壊すわけにもいかない、頭の痛いところであると思います。日本有数の米の生産地この秋田県でなぜ米がないのか、私たちはなぜ外米を食べなければならないのか、素朴な疑問を持つのであります。昨年七月下旬、水稲の穂が形成されるころ低温で不稔障害の心配がありました。天候の回復を待ちましたが期待は外れ、異常低温は続き、さらには八月に入ると穂が出てこない、穂が出たが広がらない、と不安の声があちらこちらから聞かれました。その上、追い打ちをかけるようにイモチ病が蔓延し、実りの秋は戦後史上最悪の凶作となりました。まさに今回の外米の輸入は、国内産米の凶作と国の米備蓄政策の誤りから緊急性を持ったものであるとこう考えます。米の輸入は、消費者にとって戦後の食糧難に逆戻りした感があります。また米の輸入については、昨年十二月十四日に米市場の部分開放が決定されました。平成七年度から関税化猶予と引きかえに六年間の最低輸入量が義務づけられ、七年度は国内消費量の四%に当たる四十万トン、その後〇・八%ずつ毎年アップし、最終年の十二年度には八十万トンが輸入されることになっております。これは本県の米生産量六十四万千七百トンを上回るものなのです。さて、皆さん、よく考えてみてください。米づくりは本市の基幹産業であります。このたびの冷害は農家の消費ムードを抑え、不況が深刻化しているこの地域経済を一段と冷え込ませる結果になったと思いませんか。米は日本人の主食であります。国内で需給するのが基本であると考えませんか。水田は国土の保全の役割を担い、風土や文化の基盤であると思いませんか。稲作の衰退は国をも滅ぼすとも言われております。農業、農家、農村を守るために一大転換期にあると考えます。市長は提案説明の中で、農業を取り巻く情勢について、米の輸入自由化、平成五年産米の著しい不良を取り上げ、米の需給が極めて厳しい状況にあることから国からの転作等目標面積の緩和配分を的確に稲作に結びつけ、今後とも米づくりと転作とを組み合わせた生産性の高い水田営農の確立を推進してまいりたい、また複合経営については、米の自由化及び冷害等に対応していくため担い手農家の育成と経営規模の拡大が必要であるとし、自立専業農家に農地を集積して育成を図るため農地の取得と賃貸借の設定の両方に県の助成金に加え市単独にかさ上げして、農家の育成に努めてまいります、と言っておられました。農業経営を考えるならば、確かに市長のおっしゃるように、複合経営に力を入れ、その確立強化に積極的に取り組む姿勢もなくてはならないものと考えられます。しかし、現実にスーパーなどで米を求めて長い行列ができているのをテレビで見てみますと、時ならぬ米騒動と映るのです。昭和四十四年以来、減反、米価の引き下げ、米以外への転作の誘導など農業政策のツケが、今現実に農村の衰退としてあらわれているのではないでしょうか。複合経営も大きな課題解決の一つと考えられますが、米づくりそのものに意欲の持てるビジョンづくりが必要かと考えます。当局の考えを聞かせてほしいものです。 最後に、米代川流域拠点都市地域の基本計画に対する能代市としての対応についてお尋ねいたします。平成五年八月十三日、地域における創意工夫を生かし、広域の見地から都市機能や居住環境の向上を推進するため一体的な整備促進を図り、地方の自立的成長の促進と国土の均衡ある発展を資することを目的に指定された米代川流域拠点都市地域、その後、地域整備協議会を設立し、広域圏の中心となる能代市、大館市、鷹巣町、鹿角市の四市町で職員を派遣しワーキンググループを設置、コンサルタントの資料を参考にしながら基本計画策定について協議を進めてまいったようであります。 第一点目として、その経過と審議内容についてお聞きしたいと思います。 第二点目としまして、三月三日の拠点都市地域整備協議会臨時総会で基本計画の基本方針、拠点地区重点事業に対し拠点地区中心の事業ばかりで、周辺市町村の計画は皆無とし、もっと町村の計画に声を反映させてもらいたいとのことで承認されなかったようであります。これはとりもなおさず地域間での事業の競合、争奪戦であり、圏域十八市町村の地域振興の考え方、利害調整の難しさが露呈されたものと考えます。当然計画の策定は来年度にずれ込み、事業の実施が危ぶまれるわけであります。期間は平成六年度から十年間を見込んでおりますので少しぐらいの遅れは取り戻せると考えますが、地域の振興、自立的成長が一時でも早くと考えるならば早期に計画決定をしてほしいものです。これからの基本計画決定までの日程をどのように考えているものでしょうか、お聞きしたいと思います。 市長の九月定例会の御答弁で、米代川流域地方拠点都市地域の基本計画はこれから策定されるものであり、具体的にはまだお答えできる段階ではありませんが、と前置きし、本市としての具体的な事業としてスポーツリゾート構想、港湾整備などを挙げておられましたので、第三点目として、スポーツリゾート構想についてお伺いいたします。この構想は体操、バレー、バスケット、自転車、フェンシングなど、オリンピック選手として、また世界選手権の出場選手として数多くの日本代表を送り出した能代山本、これに地域の恵まれた自然を観光資源に加えて全国に例のない新しいスタイルのリゾート構想であります。県は、六年度予算に二十六億五千七百二十万七千円を計上し、宿泊機能を有した中核施設スポーツリゾートセンターを平成七年一月には完成させたいとしております。オープンまであと残すところ一年余り、完成後には山本広域市町村圏組合が管理運営するということです。立派な建物ができても利活用できなければ宝の持ちぐされ、開店休業にならないようセンターの売り込みを中心にした事業の取り組みが必要と考えます。この一年間どのように取り組んでいくのか、お聞きしたいと思います。 第四点目として、港湾についてお聞きいたします。秋田県能代港湾事務所が能代港の昨年の入港船舶、貨物取り扱い量をまとめたものによりますと、外航船の入港は五十二隻で、前年より二十五隻多く、五十一隻までが輸入中心で、輸出のため入港したのは一隻だけです。貨物別では、南洋材製品合板が十七隻で最も多く、石炭が次で十四隻、重晶石が六隻となっております。貨物取り扱い量は、輸移入が百十四万七千九百二十トン、九八・三%、輸移出が一万九千二百八十六トン、一・七%、合計が百十六万七千二百六トンで、ともに昭和四十九年の開港以来の最高の取り扱い量となったものです。船舶の乗降客はゼロで、昭和六十年、六十一年に能代港ー函館港間で客船十和田丸による観光乗降客があってから、その後は乗降客数ゼロが続いておるわけであります。これはほとんど輸入中心の港湾であり、港の機能としては半分より果たしていないと思います。船の入港により人、物、金、情報が動かないことには町の発展につながらないと思います。輸出入の拡大、特に輸出の拡大についての下地づくりが大切と考えます。能代港を米代川流域拠点地域の中でどのような位置づけにし、地域活性化を図るためどう生かし、発展させるのかお聞きしたいと思います。 以上で、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。御当局の答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。         (市長 宮腰洋逸君 登壇) ◎市長(宮腰洋逸君) 工藤議員の御質問にお答えいたします。最初に、平成六年度の予算について、まず税制改革の影響と財政見通しでありますが、平成六年度税制改正大綱の要旨の中で、単年度限りの特例措置として、個人住民税所得割について二〇%相当額を減額する定率減税を実施することが示されております。宮腰議員にも申し上げましたとおり、この分の当市における影響額は、現段階では約二億八千万円程度と試算しておりますが、この減収額を埋めるため地方財政対策では減税補てん債を発行し、後年度この元利償還金の七五%を交付税算入されることとなっております。今後の財政見通しについでありますが、一般財源の大宗をなす市税は、全国的には景気回復の遅れの影響が国税、地方税などにあらわれておりますが、当市においても火力発電所の工事が一段落したこともあり、法人市民税は減少の傾向にあります。景気の動向にもよりますが、四月に固定資産税、六月には個人市民税が決定いたしますのでその結果を見ることと、また地方交付税は、地方財政計画では前年度並みに確保されておりますが、まだ国の基準財政需要額の単位費用改定が示されておりませんので、その結果を見て対応していきたいと考えております。しかし、御承知のとおり、火力の運開に伴う増収の四分の三の相当額を減額して見込んでおります。加えて平成六年度当初予算編成においても、一般財源の確保を図るため財政調整基金、減債基金からの取り崩しを行っておりますが基金残高も少なく、今後の財政需要への対応は大変厳しいものとなっておりますが、できるだけ財源の確保に努めなければならないと考えております。 次に、景気浮揚対策としての施策でありますが、御質問にもありましたが崇徳小学校、第五小学校、東部共同調理場などの建設事業のほかに市単独事業及び電源交付金事業による道路、橋梁、排水対策事業と国産材生産森林基盤整備事業、温泉一号線、公共下水道整備事業等、また一部事務組合事業として南部清掃工場建設事業、さらに県事業ではありますが能代山本スポーツリゾートセンター建設事業、木材高度加工研究所(仮称)の建設もあり、十二月には能代火力発電所二号機の運転開始と、これに関連する吉野石膏等の着工も今後も予定され、その波及効果に期待しているところであります。また、国の三次補正に係る事業として、五年度三月補正予算に繰越明許費で約一億七千四百万円の事業費を計上しており、当初予算事業とあわせて今年度同様上半期での早期発注を進めるとともに、崇徳小学校及び第五小学校建設事業、渟城第二小学校大規模改造事業については継続費を設定しておるところから、七年度予定事業についてもできるだけ早期の発注を目指すことにより、地域経済への景気浮揚効果が期待できるものと考えております。平成六年度当初予算へ計上した投資的経費は、景気低迷が深刻度を増す中で、地方財政計画が示されないことにより地方交付税の見通しが困難なことや、市税においても火力発電所の税収以外は伸びを見込めないこともあり、前年度当初比で四二・八%の減となりましたが、これは継続事業である総合体育館建設事業や廃棄物処分場建設事業、柳町土地区画整理事業、竹生小学校プール建設事業など約二十八億三千万円の終了によるものであります。 景気の動向についてでありますが、国内経済は住宅投資と公共投資が引き続いて高い水準を示しておりますが、国内需要の主要を占める個人消費の低調と設備投資の減少が続いているため最終需要全体が停滞し、依然として回復の兆しが伺われません。このため県内経済も依然低迷しており、市の経済も火力発電所の工事が一段落したこともあり景気の後退が心配されております。こうした中で、国は所得税、住民税の減税、公共投資の拡大、住宅投資の促進など景気浮揚のための需要拡大策のほか、不況にあえぐ経営環境に直面している中小企業を支援するための金融対策などを内容とした「総合経済対策」の全容を明らかにしました。一刻も早い総合的な対策を講じられますとともに、これを機に景気の回復に弾みがつくことを願うものであります。 次に、公債費の見通しについてでありますが、平成六年度の市債借り入れ額は七億百十万円、六年度末の市債残高見込みは約百三十七億八千八百万円であります。平成六年度予算における公債費の償還額は約二十億七千万円ですが、国庫補助金と相殺される特定資金公共事業債繰上償還金が約二億二千万円あり、これを除くと約十八億五千万円であります。現時点では、七年度では約十八億三千三百万円、八年度で約十八億四千九百万円、九年度で約十九億千六百万円となり、今後数年間は十八億円から十九億円台で推移していく見通しであります。限られた財源の中で社会資本整備を進めるためには市債の借り入れを行わなければならない場合もあり、今後とも一般財源の確保を図り、事業の選択と起債計画の調整を図りながら償還額の増高にならないように努力してまいりたいと思っております。 次に、経常収支比率と地方債許可制限比率についてでありますが、平成六年度の経常収支比率についてでありますが、経常的な経費については当初予算編成において極力抑制に努めてまいりました。歳出における経常経費充当一般財源では総合体育館の管理運営費、一部事務組合に対する負担金、国民健康保険、老人保健医療特別会計に対する繰出金等が増加しましたが、歳入では火力発電所の運開による税収増が見込まれたことにより、当初予算時点での経常収支比率は八七・七%の見通しであります。今後の推移については市税の状況や当初予算へ計上した地方交付税も、第二次ふるさと事業の特定目的分を含めて八月下旬までには決定いたしますが、決定後幾らか減少になるものと考えております。なお、地方債許可制限比率でございますが、平成六年度当初予算時点では一三・四%、決算見込みでも一三・四%の見込みであります。平成七年度は一二・八%、以後、比率については減少の傾向にあります。 次に、第二の米づくりに意欲の持てるビジョンづくりについてでございますが、昨年の米大凶作により国産米の不足から外国米の緊急輸入となったことでさまざまな問題で混乱を生じ、まことに残念な事態となっております。米は国において一元管理しており、需要量に応じて各都道府県に配分されるため、米生産地の本県と言えども、まことに残念なことでありますが自由に県内消費に回すことができず、枠内配分されておる状況となっております。稲作は日本農業の根幹をなすもので、我が国固有の食文化や水田農業を通じて維持されてきた水資源の涵養や国土環境の保全、豊富な自然景観の維持や農業農村の持つ多面的広域的な機能を持っている日本の風土に適したものであります。特に秋田県においては、農業粗生産額に占める米の割合が東北で最も高く七〇%弱もあり、まさに米に依存した農業経営を行っているのが現状であります。しかしながら、近年米生産者価格の引き下げ等に伴い高収益農業を目指すため秋田県では戦略農業確立対策のもとに米プラス野菜等の複合経営を推進しており、本市としても地域の特色を生かした米プラス野菜中心の複合経営で異常気象に左右されない足腰の強い農業経営を目指しております。国では、農業再生ビジョンとして緊急農業農村対策本部を設置し、米の生産供給安定対策や農業の体質強化、地域活性化対策等に取り組むことにより、秋田県においても、対策本部や県民会議を設置して、一つ、あきたこまちの品質均一化と、二つには、稲作低コスト生産の推進、さらに三つ目には、有利な複合経営の推進を挙げております。本市としても意欲ある地域農業の担い手の規模拡大を進めることにより、生産性の向上と低コスト化を図るため農地の流動化に補助金のかさ上げを考えております。また、米づくりに意欲のある農家を育成するため転作配分で優先的に緩和する等市独自の対策を打ち出し、復田事業にも積極的に対応してきたところであります。今年の一月には、全県に先駆けて認定農家の協議会を設立し、能代市の担い手農家の意欲を施策に反映させる体制をつくりましたが、市場開放によって日本の稲作農業が衰退に向かうのではなく、農家の創意と活力を生かしながら農業を再生させるべく努力を重ねてまいりたいと存じます。 次に、米代川流域地方拠点都市地域の基本計画に対する能代市としての対応についてでございますが、米代川流域地方拠点都市地域の基本計画の策定に当たっては関係市町村が連携し共同して取り組む必要があるため、平成五年八月三日に整備協議会を設立するとともに、八月十三日に地域指定を終えた後の、八月二十五日には能代市、鷹巣町、大館市、鹿角市の四市町から職員を派遣し、ワーキンググループを設置しております。ワーキンググループでは、構成市町村と密接に連絡を取りながら計画に組み入れるべき事業の取りまとめを行うとともに、コンサルタントの資料も参考に基本計画素案の策定作業を進めてきたところであり、昨年の十一月八日からは、各市町村事業案について県関係各課との第一回目のヒアリングが開始されております。また今年の一月十九日には基本計画素案、事業案一覧を県に提出するとともに、一月下旬には各地方部、土木事務所単位のヒアリング、さらに二月一日からは県関係各課と二回目のヒアリングが行われたほか、二月中旬からは自治省、国土庁、建設省など国の関係省庁を初め、建設省東北地方建設局、東北農政局等関係機関との協議も並行して実施してきたところであります。この間、必要に応じて担当課長による幹事会及び市町村長による臨時総会を開催しておりますが、その内容としましては、拠点地域に係る整備の方針及び目標、それぞれの市町村の役割分担、拠点地域の区域及び実施事業、重点的に推進すべき公共施設の整備や居住環境の整備に関する事項並びに拠点基金の設置等について協議をしてきたところであります。今後においても国、県のヒアリング及び指導を得ながら構成市町村との協議を進めてまいりたいと存じます。 次に、基本計画策定の日程についてでございますが、現在の作業状況としましては先ほども申し上げましたように、建設省など国の関係省庁及び関係機関と協議を行っているところであり、この協議が整い次第、県に基本計画の承認申請を行うことになります。また、三月三日に開催された整備協議会臨時総会では、整備協議会として基本計画案の承認には至らなかったところでありますが、この後構成市町村の調整を図り、三月下旬開催予定の幹事会の後、改めて総会を開催し、基本計画案の承認を得、県への申請、承認の手続きを経ることとしております。こうした状況から今後の日程につきましては構成十八市町村の合意が必要であり、これまで目途としてきた三月末の策定は厳しい見通しにありますが、平成六年度からスタートする計画でもありますので、市としてもできるだけ早期に計画決定されるよう努めてまいる所存であります。なお、全国の策定状況でありますが、第一次指定十四地域のうち十三地域、第二次指定十八地域のうち七地域、米代川流域と同じ第三次指定は、地域十二カ所のうち基本計画が承認されたところは今のところ一カ所となっております。 次に、能代山本スポーツリゾートセンターは、御承知のとおり、バスケットボールコート四面がとれ、体操用の埋め込みピットもあるアリーナを初め、二十五メートル、六コースの温水プール、トレーニングルーム、研修室、温泉浴場のほか、定員百五十名の宿泊機能を備えた総合的なトレーニング施設でトレーニングはもちろんのこと、強化合宿、職場研修、宿泊交流のほかレクリエーションや観光滞在施設としても利用できるスポーツリゾート構想の中核施設として、平成七年春のオープン予定であります。管理運営は能代山本広域市町村圏組合で行うことになりますが、このスポーツリゾートセンターは能代山本圏域はもとより、県内及び全国の学校、企業のトレーニングや合宿、あるいは観光滞在等広範囲の方々に利用していただくことになりますので、これまでもスポーツリゾートのパンフレットやビデオ、センターのパンフレットを作成し、能代市、山本郡の各市町村のルートを通じてPRに努めております。また、全国的なPRをさらに展開するためスポーツリゾート構想のシンボルマーク、キャッチフレーズとセンターの愛称を募集したところ、北海道から沖縄まで全国津々浦々から四千九十五点の応募があり、相当のPR効果があったと思っております。これらの愛称等は今月末までには決定する予定で、新年度からは各市町村の各種印刷物にも活用してまいりたいと考えております。また、昨年設置した利活用促進懇談会の御意見も拝聴するとともに、新年度からは広域市町村圏組合に職員の増員配置をする予定でありますので、早い時期に具体的運営方法等を策定の上、利用料金等も決定し、学校や企業への直接的な売り込みを含めた積極的なPR活動を展開していくこととしており、能代市としてもこれまでアドバイスをいただいてきた方々を初め、合宿等に訪れた方々、在京能代会、各高校同窓会、シンボルマーク等応募者など、あらゆる手づるを伝ってPRに努めてまいりたいと考えております。 次に、能代港の位置づけと活用方法についてでありますが、当市にとって能代港をいかに活用していくかは重要な課題であり、昨年の貨物取り扱い量が輸入中心とはいえ、昭和四十九年の開港以来最高となったことは喜ばしいことであると認識しております。同時に能代港を人、物、金、情報が動き、より街の活性化に資する場にしていきたいと願うところはお説のとおりであります。この能代港は米代川流域地方拠点都市地域の中で唯一の港湾であることから、基本計画案においては海のゲートウエーとして港湾機能の整備拡充を図る一方、日本海沿岸東北自動車道や大館能代空港の整備促進を図り高速交通体制ともリンクさせ、拠点地域のみならず背後地も含めた港湾物流拠点、さらには環日本海ビジネス交流拠点を目指していくこととして位置づけております。これに対応していくためにも、できるだけ早期に四万トン岸壁の整備やマリーナ基地の整備の促進に努めてまいりますが、一方では、輸出の拡大を図っていくためには環日本海交流等を見通した産業の立地や農産物、水産物等の加工輸出などの輸出産業の集積といった民間企業の発想取り組みが不可欠で、このような利活用の見込みがなければ行政による機能整備も促進できないことから、輸出入に対応できる民間の気運、企業マインドの醸成が必要と考えております。そうした地元企業等の取り組みの中で将来的な課題として保税倉庫、保税工場、保税冷凍庫、コンテナ設備、インランド・デポ等、港湾機能の充実、検討も考えていく必要があり、これに向けた民間サイドにおける積極的な取り組みにも大きく期待するものであります。以上であります。 ○議長(大和市郎君) 十六番工藤勇男君。 ◆十六番(工藤勇男君) 若干御要望やら御質問をお願いしたいと思います。 まず、平成六年度の予算についてでございますけれども、これから地方税制の改革によって新たな作業が出てくると思いますが、予算の執行に当たっては、効率的な運用を図って地元企業への経済波及を考えながら市民の負託にこたえていただきたい、このように思います。また、本市の経済に明るい日差しが差し込めるよう、当局の御奮闘を期待するものであります。 二つ目の農業についてでございますけれども、今、市長の御答弁を聞いておりますと、どうしても複合経営の話が耳にあって、米づくりそのものには少しほど遠いと思いますので若干再質問をさせていただきたいと思います。既に皆さん御承知のように、この農業を取り巻く情勢においては米の市場の部分開放や担い手の高齢化による農業生産力の低下、また後継者不足による過疎化、あるいは農家経営においては野菜を中心にした複合経営の推進、複合経営に当たっては米以上に収益のある安定作物の確保、また新農政プランへの対応などいろいろ解決しなければならない課題がたくさんあるわけでございます。政府は今回の輸入米を含めた米管理と農産物のコスト軽減、また山間地など営農条件の不利な地域の補償など、米部分輸入自由化の対応として六年度いっぱいで検討するとしておりますが、私ども市町村においてはただ手をこまねいて待ってはいられないと思います。戦国時代の戦略に兵糧攻めというふうなのがあったことを思い出しますけれども、この米の戦略で日本の農業がなくなる日が来ないとも限らない、このように考えております。今、国内産米を求めて、テレビでもごらんになるように長い長い行列が出てくるのを見てみると、確かに大変だなあと思っておるところでもあります。我が本市の稲作に関する予算を見てみますと、緊急復田対策事業費、あるいは明日を担う自立専業農家の育成事業費などで予算的には余り大きくはないようでございますけれども、これを見ますといかがなものかなと問いたくなるわけであります。それこそ農家の生の声を聞き、若い農業者が希望を持って取り組める市独自の農業の確立が求められると思うがいかがなものでしょうか。もう一度市長のお考えをお聞きしたいと思います。また、きょうの北羽さんの渟城雑記にもありましたけれども、米の自由化に伴いまして米の完全自由化が決定すれば、試算ではあるけれども水田の四八%がなくなると、永田教授、名古屋大学の先生でございますけれども、こういうことから水田は大雨をしっかりと受けとめて洪水の調整機能も持っていると、もし、この田んぼがなくなってこの機能が果たさなければ年間六千億円の治水のための工事がなされると、だから水田は米を生産するだけでなくて、この治水効果を十分に発揮していると、こういうことが言われております。こういう意味でも米づくりに関しても大変今考えなければならない岐路に立っておるわけでもありますので、この点を踏まえながら御答弁をいただきたいと思います。 それから、米代川流域地方拠点都市でございますけれども、この計画に当たってはいろいろと各市町村の自主性とか自立性とか、そういうふうな問題がございましてなかなか真ん丸くまとまらないと思いますけれども、地域のエゴを出さないで、この県北地域の将来を十分に頭の中に描いて関係市町村の納得のいくような協議をしてほしいものと考えております。一日も早く成案できますよう御要望いたしたいと思います。 それから、スポーツリゾート構想でございますけれども、今年度の取り組み方いろいろわかりました。ひとつ屋外施設、例えば野球場、テニスコートがありますので、どうかこれをも加えたPR方をお願いしたいとこう思います。 それから、港の件でございますけれども、一口に言って、港の将来像を描くといってもなかなか至難のわざでございまして、多分市長も答弁に答えにくかったと思いますけれども、いずれにしましても港を利用するためには港の整備が絶対必要であると思います。したがいまして、港の整備についてはこれからも一生懸命に力を入れてもらいたいし、また将来的には市長もおっしゃられたように、環日本海時代を頭に描きながら長期的な視野に立って考えていただきたい、「ローマは一日にしてならずという」ことわざもありますから、どうかひとつ前向きな姿勢でもって港の機能を最大限生かした方策を練り上げまして地域活性化に結びつけていただきたい、このようにしてほしいと思います。 以上で終わりますけれども、農業に関してだけひとつよろしく御答弁のほどお願いいたします。 ○議長(大和市郎君) 宮腰市長。 ◎市長(宮腰洋逸君) まず最初に、予算の執行に当たっては常に効率的運用には心がけておるわけでありますし、さらにまた、その効果が地元企業に波及するよう十分に配慮していくのは従前どおりであります。 それから、農業でありますけれども、農業経営のやはり確立を図るために複合経営等いろいろやるわけでありまして、例えば開パの場合でもそうですが、米を全部つくってもいいという全面開田であったり、全面水田をつくれるということであればこれ非常に進みやすいわけでありますが、そうした水田が半分、開パの場合ですと半分も畑と、こうなってくるわけでありますのでそういう状況、あるいはまた当然この転作というものが食管制度維持、あるいは農業全体を維持していくために国の一元的な施策として続けざるを得ないという状況の中で私どもが対応していかなきゃならないと、こういうことでありますので、米をつくるということは私も個人的にも一番大切なことだと、これまでもこの本会議でもたびたび申し上げてきているとおりでありますし、個人的に申し上げればまだまだ過激な意見も持っているわけですが、しかしそれはそれとしまして、いずれこの減反政策を続けていって食管法を維持していくということが現状において農業を一番守っていく方法だという形になっており、そしてそのことを前提に関税による自由化等も全面自由化じゃなくて、ミニマムアクセスをしながら緊急輸入を進めていくものだとこういう形でありますので、こうした仕組みが前提ということを考えて能代市の農政というものを考えていかざるを得ないと、こういうことでありますので大変難しいことなのでありまして、そういう意味で米づくりも十分にいくようにということでは、私はまず今緩和になった復田の問題、これももうこれまで議会でも何遍も、転作の面積を緩和するように努力してこいということを言われて一歩一歩この転作の緩和がなされてきたわけでありますので、そうした緩和された面積が必ずやいろんな方法を通じて復田されていくように努力していきたいと。そうした中で能代市の水田稲作農業の確立も図ってまいりたいものだと、そういうふうに考えておるわけでありますし、そういう意味で水田稲作ということにつきましてはこの復田、あるいは減反緩和になったこのことの中身を十分に実行していけるような方策をまずとっていきたいと、それと同時に、やはり産業として成り立っていく農業ということでもありますので、複合経営等も進めたい。そしてまた山間地と中山間地になりますと、御承知のようにいろいろな機能を持っている中山間地に対するやはり手当てがなければ国土の保全もなされないということでありますので、そうしたことはこれまでも私も、あるいは市長会等、あるいは地方六団体等を通じて東北の要望としていろんな形で出してきているわけでありますので、その点についてはこれまでとも変わらず工藤議員の御意向は十分この身に体しながらいろいろな場で発言していきたいとこう思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 港のことにつきましても、大変、「ローマは一日にしてならず」ということで簡単にできることではありませんけれども、私も百歩先、千歩先のことを論じながら一歩も踏み出さないよりは、一歩一歩、百歩に向かって一歩踏み出す、次の百歩に到達したら次の百歩に向かって踏み出すということで前進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。    --------------------------- ○議長(大和市郎君) 本日は、日程の一部を残して延会することに御異議ありませんか。         (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大和市郎君) 御異議なしと認め、本日はこれをもって延会いたします。明十五日定刻午前十時より本会議を再開いたします。                      午後三時十三分   延会...